社会

『串カツ田中』だけじゃない、千葉ロッテのチアリーダー盗撮事件

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 先述の通り、D社はイベント企画および運営等を目的とする株式会社で、千葉ロッテマリーンズからエムスプラッシュの管理運営について業務委託されている。Bは2013年にD社に採用されたが、盗撮発覚を受け、懲戒解雇された。公判に提出された証拠によれば、その後の調査でBは、2013年から盗撮発覚まで少なくとも47回にわたってスタジアム内にある事務所更衣スペースや、スタジアム外でイベントする際の出張先更衣スペースにおいて、iPodnanoを使用し今回の裁判の原告らを含むエムスプラッシュのメンバー49名の着替えを盗撮していたことがわかっている。

 訴訟に向けて動くエムスプラッシュの被害者達を、D社などが止めようとしていたことも証拠として提出されている。D社のコーチから原告の一人に対し「裁判になるとエムスプラッシュがなくなるかもしれないので……」と、弁護士への委任を取り下げるよう、暗に求められたという内容が記載された書面などだ。さらに原告らへ、お見舞金の支払いを提示していたともいう。

 Bは、D社の実施するイベントでエムスプラッシュメンバーらのシフトの調整や、イベント時に出場するメンバーの発表、イベント出演時の車の運転や控え室への誘導等を行なっていた。盗撮は「その勤務中、部外者も出入りを許されている事務所内更衣スペースでは着替えタイミングに機器を隠すように設置、出張先のイベントでは出張先の更衣スペースに、自分のリュックのポケットに機器を入れてそれをスペースに置くなどして」(判決より)行われていた。

 その動機は「仕事の中でエムスプラッシュのメンバーに憧れの気持ちを抱いた」から。当初は何気ない気持ちで盗撮したが、思いの外簡単にでき、普段は垣間見ることのできない様子を見ることで満足し、これを繰り返したという。だが憧れの気持ちを抱いたとしても法を犯してその欲望を充足させることはあってはならない。

 今回『串カツ田中』のフランチャイズ加盟店H社が運営する4店舗で「盗難防止のため」無断での撮影が行われていたが、本当に盗難防止のためであるならば、カメラ設置の事実を従業員らに告知することである程度の効果が得られるはずだ。無断で撮影し、H社の取締役と社長にどういったメリットがあったのか。何を目的に撮影を続けていたのか。盗撮が発覚したことを公表するだけでは問題は解決したとはいえない。撮影者らの動機や目的を明らかにし、この盗撮で不利益を被る従業員が存在するようであれば、彼らへの説明と謝罪が必要になるだろう。

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