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ファミマにローソン、ネットスーパーから続々撤退 明暗を分けたのは?

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(左)ファミリーマート/(右)ローソン(編集部撮影)。どちらの企業も2018年にネットスーパー事業から撤退。

 人々の暮らしを支えるスーパーマーケット。その役割を、インターネット上で実現しようとするサービスが、ネットスーパーだ。日用品ばかりではなく、肉や野菜といった生鮮食品や加工食品まで、インターネットを通じて注文を受け、配送してくれる。このサービスを活用すれば、日々の買い物で出かける必要もなくなり、重いものも家に届けてくれるのだから、消費者にとってその恩恵は大きい。

 高齢化社会においては右肩上がりで需要が伸びていくことも予想され、ネットスーパー事業には多くの企業が参入していた。しかし結局、定着せずに撤退してしまうサービスが相次いでいる。

 2018年2月にはファミリーマートのネット店舗「famima.com」(2010年サービス開始)が閉鎖され、同年8月にはローソンのネットスーパー「ローソンフレッシュ」(2014年サービス開始)も終了。さらには、スーパーマーケット事業を主幹とするユニーさえ「アピタネットスーパー」からの撤退を検討しているとの報道もある。

 ネット通販全盛の時代に、なぜ多くの企業がネットスーパー事業から手を引いてしまったのか。Amazonに勤めていた経験を持ち、マーケティングコンサルタントとして活動しているマーケティングアイズ株式会社代表・理央周(りおう めぐる)氏に、現状のネットスーパーを取り巻く事情について話を伺った。

生鮮食品の扱いに難アリ

 まずは、現在のネット通販業界を整理してみよう。

 「私がAmazonにいたのは2001年ごろなのですが、その当時は一般消費者がインターネットで物を買うことや、クレジットカード番号を入力することに、まだまだ抵抗感がありました。しかし現在では、スマートフォンなどのハードウェアの浸透によってeコマース(電子商取引)の環境が整備され、誰でもeコマースを活用するようになりました。消費者としても心理的な障壁はなくなり、ネット通販市場は非常に大きなものとなっています。

理央周(りおうめぐる) マーケティングコンサルタント
フィリップモリスなどを経て、インディアナ大学経営大学院にてMBAを取得。アマゾンジャパン、マスターカードなどで、マーケティング・マネージャーを歴任後、起業。著書は「なぜか売れるの公式」「8割捨てる!情報術」(日本経済新聞出版社)、「課題解決につながる実践マーケティング入門」「仕事の速い人が絶対やらない時間お使い方」(日本実業出版社)など多数。
メルマガ http://www.mag2.com/m/0001652105.html

 そのなかで、一強と言ってもいいのがAmazonです。世界的な流通規模や、流通総額を見れば敵うところはありません。ただ一例ですが、インターネットで旅行の申し込みをする際は、Amazonを使わないですよね。つまり、商品やサービスによっては、Amazonよりも買いやすいサービス、比較しやすいサービスというものもあります。Amazon一強のように見えるかもしれませんが、まだAmazonが進出できていない分野に着手し、質を向上していけば、他の事業者にも大きなチャンスがある市場だと考えられます」(理央氏)

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