ファミマにローソン、ネットスーパーから続々撤退 明暗を分けたのは?

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配送料は値上がり、ネットスーパーはどう工夫を凝らすか?

 では、上手くいっていないネットスーパーには、どのような特徴があるのだろうか。

 「失敗したサービスには、ネット通販が専業ではないネットスーパーや、リアル店舗を持つコンビニやスーパーマーケットが慌てて着手したような、即席のサービスが多いという印象でした。『●●円以上の購入額でないと、送料を無料にできない』といったシミュレーションはかなり複雑で難しいので、事前のマーケティングやプランをしっかり立てず、取ってつけたようにネットスーパー事業を追加しても、成功は難しいのです」(同)

 ネット通販市場が拡大するにつれて、配送料も値上がりする傾向にあるという。

 「物流こそが、通販の一番の根幹です。ネットで物が買えるといっても、最終的には人が届けるわけですから。eコマースが普及するにつれて需要が高まり、人手不足に困っているのが、今の配送業界です。人手が不足すれば人件費はさらに高騰するので、これからの配送料はより上がっていくでしょう。そうなったときにネット通販事業者としては、費用が上がった分、別の付加価値を付けて、ユーザーに喜んで買ってもらえるような仕組みを工夫して考えていかなければならないでしょう」(同)

 配送料などの費用もかさむなかで、ネットスーパー事業は今後、どのように展開していくべきなのだろうか。

 「多くの方が、マーケティングは新規獲得のためだけに行うと誤解しています。もちろん新規獲得も大切ですが、それ以上に重要なのが既存の顧客を維持するために行うマーケティングなのです。ですから例えば、リアルショップを持っているスーパーマーケットは、生鮮食品や加工食品はリアル店舗に来店して購入していただくようにし、リアル店舗で買うと重量があって大変なお米やビールなどといった商品は、ネットスーパーから購入してもらうようにする。そういった導線をしっかり作ったサービスを展開したほうが良いのではないでしょうか」(同)

 イチ消費者としては便利なネットスーパーだが、企業側が利益を上げるのは想像以上に難しいようだ。しかし、ネットスーパー事業にはまだまだ可能性がある。出来合いのサービスではなく、それぞれの強みを活かした新たなネットスーパーサービスが、今後も台頭してくることを期待したい。

(文・取材=後藤拓也[A4studio])

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