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『いだてん』が好発進!! 権力者のためではない、「平和の祭典」としてのオリンピックを描いた

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『いだてん』公式サイトより

 1月6日からNHK大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』がスタートした。今回の大河では、日本人が初めて夏期オリンピックに参加した1912年ストックホルム大会から1964年の東京オリンピックまでの半世紀を描く。

 宮藤官九郎が脚本を担当する『いだてん〜東京オリムピック噺〜』は、近現代史を描く大河としては1986年の『いのち』以来となる異色の作品として注目を浴びていたが、果たしてどんな初回に仕上がっていたのか。

 第1回「夜明け前」は、ストックホルム大会前と東京オリンピック開催前を行ったり来たりして主要な登場人物をひとしきり紹介しつつ(初回の平均視聴率はビデオリサーチ調べで15.5%と好調だったが、時系列が複雑なこの構成には批判的な意見も出ていたようだ)、メインのストーリーでは、アジア初のIOC委員である「柔道の父」「日本の体育の父」の嘉納治五郎(役所広司)が、どのような経緯でオリンピック参加を決意したのかが描かれた。

『いだてん〜東京オリムピック噺〜』に込められた「平和」への思い

 その過程では、実在したスポーツ社交団体・天狗倶楽部の三島弥彦(生田斗真)、吉岡信敬(満島真之介)といった面々が上半身裸になって瓶ビールを一気飲みしたうえ、「われらはスポーツを愛し、スポーツに愛され、ただ純粋にスポーツを楽しむために活動する元気の権化、T・N・G! 天狗倶楽部!」といったサンシャイン池崎風の口上を披露するなど、いかにも宮藤官九郎脚本らしい小ネタも盛り込まれていた。

 そうしたコメディ演出が炸裂する一方、『いだてん〜東京オリムピック噺〜』初回では、これから1年間オリンピックに関する物語を展開するにあたって、宮藤官九郎が「オリンピック」というものをどのように捉えているかが真摯に語られた回でもあった。

 日本がオリンピックに参加することになったのは、近代オリンピック創始者であるクーベルタン男爵による「オリンピックを欧米の白人だけのお祭りから世界規模の平和の祭典にしたい」という発想がきっかけだった。これにより、日露戦争での勝利などからアジアのなかで存在感を示し始めていた日本に声がかかったのだ。

 そこで、駐日フランス大使のジェラールは嘉納治五郎と面会し、オリンピック参加のための日本国内での調整を依頼するのだが、そこでジェラールが強調した言葉は「平和」である。

 「オリンピック」というイベントを説明する際、ジェラールは嘉納治五郎に対して「“La Paix”の祭典」という言葉を使う。ドラマでは「“La Paix”の祭典」「paix=平和」という字幕がつき、「平和」という言葉が強調されていた。

 「“La Paix”の祭典」というオリンピックの意義は、嘉納治五郎を強く動かす。しかし、文部省をはじめとした周囲の反応は芳しいものではなかった。銀行家の三島弥太郎邸にて開かれたパーティー会場で大隈重信(平泉成)と世間話するシーンでは、元気に遊ぶ子どもたちの姿を見ながら嘉納治五郎が<実にもったいない。子どもたちの弾けるような笑顔は、本来、平和のためにあるはずなのに>と愚痴る場面も描かれていた。

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