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「AIに仕事を奪われる」時に備えて、“人間”が磨くべきは柔軟性とコミュニケーション

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Thinkstock/Photo by PhonlamaiPhoto

 昨年はAI(人工知能)に関する話題がメディアで多く取り上げられる年だったが、2019年も、この議論はさらに盛んに行われるだろう。とくに、「シンギュラリティ」という言葉を耳にする機会は増えていくかもしれない。

 シンギュラリティとは、人間の知性をAIが超える転換点のこと。アメリカの未来学者レイ・カーツワイル氏は2050年ごろに訪れると予想している。「機械が人間を超える日なんて本当に来るのか?」と疑問を持つ人も少なくないだろうが、シンギュラリティの到来については、日本でもさまざまな意見が見られている。

 日本経済新聞が2018年12月、20~40代の若手研究者300人を対象に実施したアンケート調査の結果によると、「2050年までにシンギュラリティは来るか」という設問に、「そう思う」(56%)「どちらかといえばそう思う」(33%)と、なんと9割近くがAIは人間の知性を超えると回答している。具体的な時期については、「2030年」(18%)が最も多く、次いで「2040年」(16%)が高かった。カーツワイル氏が提唱した2050年よりもずっと早く、シンギュラリティは訪れると見込まれているのだ。

 技術の発達は素晴らしいことだが、日本人にとっては不安の種となっているようだ。2018年5月、外資系総合コンサルティング企業アクセンチュアが行った調査によれば、日本の労働者は「AIが私の仕事にポジティブな影響をもたらす」と回答した割合が22%にとどまり、世界平均の62%より40ポイントも低かった。AIの発達が仕事を簡略化させ、人間のワークライフバランスが整う可能性も論じられているはずだが、日本では「AIの活躍で人間が仕事を奪われる」という不安感もやたら強い。

 他方で、国立情報研究所社会共有知研究センター長の新井紀子氏は、その著書『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』(東洋経済新報社)にて、AIの読解力には限界があるため人間を超えることはないと主張している。上述したように9割の若手研究者が「シンギュラリティは来る」と回答したとはいえ、専門家たちの間でもまだまだ議論は紛糾している。それも、人々の不安を煽る要因となっているのかも知れないが……。

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