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家庭・身体・経済・市民…すべての指標で女性差別が酷い国としてランキングされた日本

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女子教育が世界を救う/畠山勝太

 今回は前回の続きで、OECDが発表した社会制度・慣習とジェンダー指標(SIGI)という女性差別に関する報告での、他の先進諸国と比較した時の日本の立ち位置について紹介していきます。

 前回は4つある項目の中で、家庭内での差別について触れました。今回は残りの3つの項目について紹介していこうと思います。前回と同様にランキングだけを見るのではなく、その順位が付けられた指標に注目していきます。

身体的な自由さ

 まずは女性の身体的な自由さの項目についてです。この項目では、女性に対する暴力・女性器切除・女子が選択的に中絶されていないか・女性のリプロダクティブヘルスの選択権という指標を使っています。

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 この項目では、日本はイギリスに次いで先進諸国の中で2番目に女性差別が酷い国として位置づけられています。ただし、この項目は見た目ほど日本の実態は悪い位置にいないはずです。

 例えば、指標の中に「女性器切除に関する法整備」が入っています。おそらくこの単語すら知らない日本人が大半でしょう。この問題は、主にアフリカとアフリカからの移民を受け入れられている国々で見られるものです。字数の都合で詳細は割愛しますが、ぜひリンク先の記事などをご覧になって、世界にはこういった問題もあるんだと知ってもらえると嬉しいです。

 これはあらゆる世界ランキングに見られる問題ですが、全ての対象に関連するわけではない指標が考慮されてしまうため、課題がないにもかかわらず、対処が不十分だとして不当に低い評価を受けてしまうことがあります。女性器切除に関する法整備はまさにこの典型です。

 懸念材料もあります。女性に対する暴力は、法整備・態度・実態の3要素が指標として扱われています。日本の場合、態度・実態はそこまで酷くはないものの、法整備で遅れが見られます。前回の記事で言及したように、法整備は5段階で評価されています。さすがに先進諸国の中にこの項目で一番下の評価を付けられている国はありませんでしたが、日本は下から二番目の評価が付けられており、法整備が不十分という評価を受けています。

 以前の記事でも紹介しましたが、日本は女性の国会議員割合が低いだけでなく、裁判官の女性比率が極端に低いように司法における女性の少ない国でもあり、この問題について司法から立法への働きかけも不十分なのかもしれません。

経済的なリソース

 次に経済的なリソースにおける女性差別の度合いを見ましょう。ここでは、不動産・動産の所有権、金融へのアクセス、職場での権利の4指標が使われています。

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 やはりこの項目でも日本は先進諸国の中で女性差別の酷い国に位置づけられていますが、最大の懸念材料は職場での権利です。これまで連載の中でも、日本の女性は教育水準やスキル水準に対して賃金が安過ぎるという話や、持っているスキルが職場で十分に活用されていないという話をしてきました。そして、この指標に日本の女性を取り巻く現状が反映されています。

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 職場での権利について女性が差別されていないか、法整備の側面からOECD諸国が5段階評価を受けています。約半数の国は5段階評価の一番上、即ち全く女性差別が無いという評価を受けています。そのような中で日本は5段階評価の一番下の評価を与えられています。

 また実態という点に関して女性管理職の割合を用いて評価されていますが、図3が示すように、日本の管理職に占める女性割合は僅か13%と、10%の韓国に次いで先進諸国の中で最低水準にあることが分かります。

 他の指標については法整備的にも大きな問題は無いし、実態についても他の先進諸国と同じような位置にいました(やはり先進諸国と同様にアフリカやアジアの低所得国も評価するために指標を選定しているので、先進諸国にはあまり関連しない指標が入ってしまっていると言えます。所得水準や地域で区切らない全世界のランキングを作るのは難しいということが分かりますし、ランキングの順位だけをみても意味がないことも分かります)。

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