
米津玄師公式サイトより
歌手の米津玄師が、1月19日からスタートする全国8カ所16公演アリーナツアー「米津玄師 2019 TOUR / 脊椎がオパールになる頃」の追加公演を発表した。3月19日に上海メルセデス・ベンツアリーナ、3月30日には台北・台湾大学綜合体育館で開催される。米津玄師にとって、初の海外公演となる。2018年の音楽シーンを席巻した米津玄師だが、2019年も勢いは止まらない。
米津玄師は12月26日、突如として中国版のtwitter「微博(ウェイボー)」のアカウントを開設していた。これは上海・北京公演の布石だったとも取れるが、初期からネットを中心に活動の幅を広げてきた米津には、もとより海外ファンも多かった。微博はすでに27万人(8日正午時点)を超えるフォロワーを獲得しており、2018年発売の代表曲「Lemon」は中国や台湾のiTunes総合チャートでも1位を獲得。現地でもCDがリリースされることになるなど、逆説的な現象まで起こっている。
海外進出の吉報を知った日本のファンからは、「ハチ(米津の別名義)もとうとう海外かあ」「米津さんの目線って、海外になってきてたと思ってたんだよね」「米津さんの歌を聞きに絶対行きます! 去年の末あたりにビザとってよかった(笑)」と、前途を祝福する声があがっている。
代表曲「Lemon」で2018年を席巻した米津玄師
2018年大晦日の『第69回NHK紅白歌合戦』は“平成最後のお祭り騒ぎ”で近年稀に見る盛り上がりとなったが、これは米津玄師の功績も大きかった。当初はNHKの熱心な出演オファーを断り、出場歌手に名を連ねていなかった米津だが、土壇場の12月26日に紅白への出場を発表。普段から歌番組への露出を極端に控える米津がテレビ生パフォーマンスに臨むとあって話題を呼び、「目玉なし」と不安視されていた紅白に華を添えるかたちとなった。
大晦日当日は、故郷の徳島県・鳴門市の大塚国際美術館「システィーナ・ホール」から、生中継で「Lemon」を歌唱。いやおうなしに高まっていた世間の期待値を超える、圧巻のパフォーマンスを見せた。米津は紅白初参加ながら視聴率44・6%をたたき出し、1位の大トリ・サザンオールスターズ(45.3%)に肉薄。3位の松任谷由実(43.7%)を超える勢いを見せた。
2018年は代表曲となった「Lemon」の発表に始まり、年末の紅白に至るまで、まさに米津玄師の年だったと言ってもいいだろう。しかし時代の寵児となり、世間の熱狂にまみれることは、果たして米津玄師本人が望んだものか……というと、到底そうは思えない。
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