「“あるべき皇室の姿”への議論を」小田部雄次・静岡福祉大学名誉教授に聞く、“秋篠宮様ご発言”の真意とは?

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「私が問題提起を」という、秋篠宮様の“ご決意”

――つまり、皇室の方々の発言の自由は担保されているわけですね。政府が事前に察知して「これは出すな」とストップがかかるようなことは……。

小田部雄次 そういうことは、そうそうないと思います。聞く記者の側も、よほど失礼なことでなければ聞いてしまいますね。ただ、皇室の方々が、立場上、発言にすごく気を使っているというのはある。結果として大騒動になってしまいましたが、今回の秋篠宮様の発言だってそうです。「国事行為については私は何も言えないが、皇室の行事についてはある程度、私の考えがあってもいいのでは」とちゃんと前置きした上で発言しています。

 先に解説した通り、「大嘗祭は内廷費で」という考えは、秋篠宮様だけのものではない。今上天皇や皇太子様もお気持ちとしては相通ずるものがあるのだと思います。ただ、やはりお二方からそういう発言があると影響が大きすぎる。その点、秋篠宮様はまだものを言える立場です。

 歴史的にも、昭和天皇の弟で今上天皇の叔父にあたる三笠宮崇仁親王が紀元節復活反対を唱えたり、今上天皇の従弟の三笠宮寬仁親王が天皇の男系継承維持を主張したりと、天皇・皇后・皇太子から遠い方は比較的自由に発言してきた。秋篠宮様は、そういう経緯も踏まえて今回の発言に及んだのだと思います。

――新天皇が即位して、秋篠宮様が皇位継承順位1位の皇嗣になると、今回のような発言は難しくなる。

小田部雄次 そう。だからそうなる前に、という思いも秋篠宮様にはあったかもしれない。もちろん、「大嘗祭は内廷費でやれ」と命令形で言ってしまうと、皇族が政治を動かそうとしたことになりますから、秋篠宮様にとってもよくないし、もちろんご自身にもそんなつもりはまったくないと思います。あくまで「皇室は大嘗祭についてこう思っているから、新天皇の即位までに考えてほしい」という程度に解釈するのが妥当でしょう。

 要するに今回の秋篠宮発言の真意は、そういう“問題提起”にあったとわれわれ国民は理解すべきなんです。政府も真摯に受け止めて、よりよい日本社会実現のために、よどみの少ない国民・皇室・政府の関係を築き上げてほしい、というのが私の率直な気持ちですね。

(構成/松島 拡)

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