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私立高校の教員ストライキ、「朝6時半頃~夜9時頃まで休憩もない」過酷な労働環境の改善訴える

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私学教員ユニオンのツイッターより

 1月8日、東京都千代田区にある私立正則学園高等学校の教員約20名が、始業前の朝6時半頃から強制されている“理事長への挨拶”の儀式を拒否するとして、ストライキを実施した。

 同校教員の始業時間は午前8時。しかし実際には、7時前に出勤する理事長に一人ずつ挨拶することが慣例化しており、教員は午前6時半頃の出勤を余儀なくされ、挨拶をしなければ注意を受けるという。

 私立学校の教員は給特法(公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法)の適用対象外で、残業代未払いは労働基準法違反として訴えることもできる。ここ数年、教員の労働環境がいかに劣悪であるかが指摘されるようになってきたが、公立学校のケースに注目が集まりがちだった。だが、私立校も例外ではない。

 正則学園高等学校の教員がストライキに至った経緯は、私学教員ユニオン公式サイトで説明されている。同校の労働環境は過酷なものだった。

 教員の多くは、「朝6時半頃~夜9時頃まで休憩もなく働き、1日の労働時間は約14時間半にも及ぶため、帰宅時間が終電間際になる教員もいる状況」で、「これまで過重労働により、体調不良、入院をした教員もおり、中には過労死が疑われる方も」いたというから調査が必要だろう。

 教員の授業以外の業務は膨大で、業務範囲には際限がない。にもかかわらず、正則学園高等学校では残業代が適切に支払われず、タイムカードも実際の労働時間で打刻できない。教員らの正式な同意もなく定期昇給の停止やボーナスの減額が行われたという。

 さらに同校では、専任教諭が退職しても専任教諭を補充するのではなく、非正規雇用の非常勤講師を増やしている。非常勤講師は低待遇であり、授業時間1コマに約2000円が支払われるのみで、授業外業務の賃金は払われず、月の手取りは15万円程度。社会保険にも加入できず、1年更新の契約のため将来も見えない。しかし、非常勤講師であっても授業準備や教材研究など授業外業務を行い、1日8時間・週40時間近く働いているという。

 労働環境に問題が山積しているのは明らかだが、中でも教員らが“許せない”と訴えるのが、「毎朝6時半から始まる理事長への挨拶の慣行」だという。数十人の教職員全員が理事長室の前の廊下に一列に並び、一人ひとり理事長に挨拶をするという“儀式”だが、私学教員ユニオンに加盟した同校教員らはストライキを予告するポスターでこう訴える。

<もしこの早朝の儀式がなければ、授業準備・教材研究や、生徒に向き合ったり、自分の体を休めるなど、様々なことに時間を使えます。この無益なサービス労働の強要に対して、組合員は我慢の限界に来ています>
<教員は、早朝挨拶儀式ではなく、生徒のために時間を使いたいのです。教員は、学校の民主化・健全化をし、理事長の利益のためではなく、生徒の教育のための学校作りを目指しています>

 そもそも教員らは、授業以外の業務によってかなり多忙な状況と思われる。その上“理事長への挨拶”のために毎朝6時半に出勤することを強制されれば、たまったものではないだろう。

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