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脚本家・中園ミホが平成初期の屈辱的セクハラ社会をくぐり抜け描いてきた「日本の理不尽」

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日テレプラス公式ホームページより

 ついに平成最後の年となる2019年に入り、各メディアでは平成の振り返り企画が多く組まれている。1月8日放送『クローズアップ現代+』(NHK)では「1月8日 始まりから終わりへ〜ヒットメーカーの平成〜」と題され、脚本家の中園ミホ、漫画家の吉田戦車、二人のヒットメーカーがどんな思いを抱きながら平成の時代と向き合い、作品を生み出してきたかに迫っていた。

 そのなかでも、中園ミホが語った「日本社会への怒り」は印象的だ。

 中園ミホは現在59歳。2018年の大河ドラマ『西郷どん』(NHK)を担当し、それ以外にも『やまとなでしこ』(フジテレビ系)、『ハケンの品格』(日本テレビ系)、『花子とアン』(NHK)、『Doctor-X 外科医・大門未知子』(テレビ朝日系)など、数々の大ヒットドラマを手がけた大御所脚本家だが、平成が幕を開けた当時まだ20代だった中園ミホにとって、日本社会は女性への屈辱的な振る舞いが公然と行われている理不尽な世界だった。中園ミホは『クローズアップ現代+』のなかでこのように語っている。

<平成の最初の頃、バブルの華やかな空気とセクハラの嵐が一緒に吹き荒れているっていう、そういうふうに世の中が見えました。打ち合わせに行くと、テーブルに(ホテルの)客室のキーが置いてあるような、そんな毎日でしたから。それを突き飛ばして断って帰ると、そこからはもう仕事が来ない。このセクハラおじさんたちをいつかひざまずかせてやるとか、その頃、悔しくて泣きながら家に帰りながら、帰り道そういうふうに思いました>

シングルマザーとなったことが中園ミホの転機となった

 新人脚本家だった当時に抱えた怒りは「納得できないことの多い社会のなかで、それでも強く生きていく女性たちを描く」といった彼女自身の作風をかたちづくっていく。

 さらに、中園にはもうひとつ転機があった。34歳のときに未婚のまま出産したことである。

 シングルマザーとして働きながら子育てをしていく彼女自身の環境は1995年に放送された『For You』(フジテレビ系)に直接的に反映されている。

 この作品の主人公である吉倉弥生(中山美穂)はシングルマザーだが、就職のために面接を受ける際、子どもがいることをひた隠しにしようとする描写がある。その背景について中園はこのように語る。

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