社会

パンテーン広告に賞賛集まる 白髪や剛毛は肯定できても、薄毛やヨレヨレの毛は?

【この記事のキーワード】

就職活動での“黒髪ポニーテール”は本当に必要なのか

 パンテーンは昨年9月、就活生の声と共に「自由な髪型で内定式に出席したら、内定取り消しになりますか?」と、コピーが添えられた広告を日本経済新聞や渋谷駅、東京メトロ線内にて展開した。

 女子就活生といえば、黒い髪にポニーテールという髪型が定番となっており、内定式でもアパレルなどの一部の企業を除いて、その髪型で出席することが多い。生まれつきの髪色が茶色いため、わざわざ黒く染めたという学生もいるほどだ。

 しかし、自身の長所や短所、その企業を受けた動機など、就活生の“個性”が問われる場で、みな同じ髪型であることの意味はあるのだろうか。パンテーンの広告ではあくまでも“内定式”に限られているが、就職活動自体の決められた髪型が本当に必要なのか、今一度考え直す時代になったのではなかろうか。

 そもそも髪の美しさとは何か。艶がありさらさらとした髪の毛が一般的に“美しい”とされているが、生まれ持った髪の毛の質は一人ひとり異なる。癖毛、直毛、色素が薄い人・濃い人、毛量が多い人・少ない人、それぞれが個性だ。生まれ持ったものを活かすもよし、カラーリングやパーマで理想とする髪型にするのもよし。誰かが決めた“美”に囚われることなく、自分の好きな髪型でいることが1番よいだろう。

 そうはいっても、私たちは「これが美しいものだ」と規定された価値観に左右される。薄い髪や細くヨレヨレの毛質の女性はまだパンテーンの広告に登場したことはなく、また、そうしたありのままを肯定すれば商品の広告として機能しなくなる可能性もないとはいえない。ヘアケア商品は、艶やかで扱いやすい髪にすることを謳うものがほとんどだからだ。グレイヘアは「美しい」と肯定できても、加齢とともに多くの女性が直面する薄毛などその他の髪悩みについては、やはり今でも「解決すべきもの」とされているのではないか。

 それでも今回の広告に意義がないわけではない。明らかにCGとしか思えない、ツヤツヤ輝く非現実的なストレートロングヘアばかり広告で見せられてきた消費者に、斬新な驚きを与えたことは確かだった。

1 2

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。