新宿二丁目の本格ディーバユニット「八方不美人」! 女の情念をドラァグクイーンが唄い上げる

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新宿二丁目が生んだ3人のディーバ!

 日本最大のゲイタウンとして知られる新宿二丁目。さまざまな性的マイノリティの人たちが集う多様性あふれる街であり、先鋭的なカルチャーが育まれる場所でもあります。

 その二丁目を拠点に活動する女装パフォーマー、ドラァグクイーンによる本格的ディーバユニットが、このほど誕生しました。ユニット名は「八方不美人」。一般的にはアングラとされるゲイカルチャーからメジャーシーンへ華麗に降り立った彼女たちに、ユニットの魅力とともに、人気パフォーマーとしての活動と社会人としての日常生活との両立などまでインタビュー。前後編で紹介します。

 ドラァグクイーンとは、主に男性の同性愛者が、ドレスなどの衣装と派手なメイクで女装し、音楽に合わせたリップシンク(口パク)などを行うパフォーマー。ただ女性の恰好をするのでなく女性性を強調したゴージャスさが特徴で、華やかさから日本でも浜崎あゆみやMISIAなどの有名アーティストのライブやMVへ出演してパフォーマンスすることも多く、日常生活の中で目にする機会も増えています。

 八方不美人は、Wink「淋しい熱帯魚」やテレビアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の主題歌「残酷な天使のテーゼ」などを手掛けた作詞家・及川眠子氏と、アン・ルイス「WOMAN」や小柳ゆき「あなたのキスを数えましょう」などを手掛けた作曲家・中崎英也氏のプロデュースにより、昨年12月19日にミニアルバム「八方不美人」でデビュー。

中毒性の高いパフォーマンス

 メンバーは、著名ドラァグクイーンのエスムラルダ、歌唱力に定評あるドリアン・ロロブリジーダちあきホイみの3人。アルバムには、3人で歌う「愛なんてジャンク!」と、それぞれのソロ曲「ディレンマ」(エスムラルダ)、「流砂の恋」(ドリアン)、「崖の花」(ちあきホイみ)の4曲が収録され、酸いも甘いもかみわけたオトナの女性の、やるせない恋心を唄いあげています。

ーーユニット結成の経緯を教えてください。

エスムラルダ:まず私が2年前、仕事でご一緒した及川先生と仲よくなり、昨年、及川先生ファンのマスターがいる二丁目のお店にお連れしたんです。後日、そのお店で、たまたまドリアンさんの歌声を聞いた及川先生が、酔った勢いで『あなたに曲をあげるわよ』と言ったところ、周囲が『わぁ、ドリアンさん幸せねぇ』と盛り上がってしまい、及川先生が引くに引けない状態に(笑)。

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エスムラルダ

エスムラルダ:さらに後日、そのお店で、今度は中崎先生とドリアンさんを引き合わせる場がセッティングされたんですが、もともと中崎先生の曲のファンだった私と、そのお店の常連だったホイみちゃんも、無理矢理その場に混ぜてもらって。なんとなく話の流れで『まとめて3人でユニット組む?』ということになったんです。私たち、もともとそんなに親しかったわけではないのに、いつの間にやら運命共同体になってしまいました(笑)。

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ホイみ:エスムラルダさんとドリアンさん、2人のことは知っていましたが、3人で一緒にというのはそれまでなかったですね。私はもともと歌を唄うのは好きでしたが、2人に比べると女装歴やドラァグ歴は短くて、二丁目で認知されるようになったのも2016年ごろ。ポッと出の新人、地下女装です。世に出る機会がもらえてありがたいです。

ドリアン:最初はソロデビューの予定だったのに~!(笑)。

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