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物価が上がっても賃金が上がらない理由~日本経済の抱えるジレンマ

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Thinkstock/Photo by dobok

 2019年3月に「チョコモナカジャンボ」や「ピノ」など、アイスクリーム商品が一斉に値上げされる。これまで食品メーカー各社は、価格を据え置き、内容量を減らすという、いわゆる「ステルス値上げ」を続けてきたが、こうしたごまかしもそろそろ限界に達しつつある。

 アイスのメーカーが一斉に値上げに踏み切ったことをきっかけに、名目上の値上げを決断する企業も増えてくるだろう。2019年はステルス値上げが終焉する年となるかもしれない。

アイスのメーカーが続々と値上げを表明

 2018年の11月から12月にかけて、森永製菓、森永乳業、江崎グリコ、ロッテ、明治などアイスクリームのメーカー各社が続々と値上げを発表した。

 森永乳業は、人気商品である「ピノ」や「パルム」など15品目について3月1日から値上げを行う。ピノは130円が140円に、パルムチョコレートは130円が140円になる。森永製菓も「チョコモナカジャンボ」「パリパリバー」など7品目について値上げを発表しており、チョコモナカジャンボは130円から140円に、パリパリバー<バニラ>は330円が350円になる。

 このほか、明治の「明治エッセルスーパーカップ」は130円から140円に、ロッテの「雪見だいふく」は130円から140円に、江崎グリコの「ジャイアントコーン」も130円から140円に値上げされる。

 各社は、原材料価格や物流費、人件費の高騰を値上げの理由と説明している。

 近年、輸入食材全般の価格上昇が顕著となっているが、その主な原因は各国の経済成長である。過去20年間で、日本以外の国はGDP(国内総生産)を1.5倍から2倍に拡大したが、景気低迷が続いた日本はほぼ横ばいの状況が続いてきた。

 GDPが成長すると、それに伴って物価も上昇するのが普通であり、各国の経済成長に伴って、グローバル市場ではあらゆるモノの値段が上がっている。原材料の多くは輸入に頼っているので、食品メーカーにとって、世界の物価上昇は製造原価の上昇に直結する。

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