早くも始まった2020大統領選!〜トランプの天敵が続々と立候補

文=堂本かおる
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 1月12日、2020大統領選への2人目の立候補者が名乗りを挙げた。ジュリアン・カストロ。オバマ政権下で住宅・都市開発省長官を務めたメキシコ系アメリカ人だ。当選すれば、米国史上初のヒスパニック大統領となる。

 打倒トランプを旗印に、次期大統領選には現時点で20人以上の出馬者が予想されている。政治家以外も含め、最終的にはさらなる大人数になりそうな勢いだ。大晦日にエリザベス・ウォーレン上院議員が出馬表明者第1弾となり、12日で2人目。今週中にもう1人、女性議員が正式に立候補を発表すると報じられている。その後は怒涛の勢いで立候補表明が続くだろう。

 この連載では新たな候補者が出た際に、当人の簡単なバイオを記載していく。現時点では日本での知名度はほとんどない人物が多く、かつ、いったん選挙戦が開幕すると得票の見込みが立たない候補者は続々と脱落していく。しかし、どういった人物が立候補したかを知るだけでも、今のアメリカが直面している問題と、その問題にアメリカがどう立ち向かおうとしているかが自ずと分かるはずだ。

 以下は1月12日の時点で正式に出馬表明を行っている2人のバイオだ。

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■エリザベス・ウォーレン(民主党)
現職:上院議員(マサチューセッツ州)
前職:ハーヴァード・ロースクール教授(法学)
人種民族:白人
性別:女性
年齢:69歳
最終学歴:ラトガーズ・ロースクール
宗教:キリスト教徒(プロテスタント)

 商業法、アメリカ経済の専門家として高い評価を得、2008年の金融危機の際には議会の監視委員会に参加。2013年より上院議員。前回2016年の大統領選への立候補を盛んに問われたが出馬せず、ヒラリー支援者として痛烈なトランプ批判をおこなった。

 そのためトランプはウォーレンを非常に嫌い、現在に至るまでウォーレンを「ポカホンタス」と呼んでいる。ウォーレンがハーヴァード・ロースクールに自身の人種民族を「ネイティヴ・アメリカン」と登録していたことが理由だ。ウォーレンは白人でありながら、教授採用を有利にするためにマイノリティ枠を使ったのではないかと批判的に報道された。ウォーレン自身は遠い祖先にネイティヴ・アメリカンがいたと主張し、DNAテストによってそれを証明した。

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■ジュリアン・カストロ(民主党)
現職:無し
前職:住宅・都市開発省長官
人種民族:ヒスパニック(メキシコ系アメリカ人)
性別:男性
年齢:44歳
最終学歴:ハーヴァード・ロースクール
宗教:キリスト教徒(カトリック)

 弱冠35歳でテキサス州サンアントニオ市長となり、任期中の2014年にオバマ政権の住宅・都市開発省長官に抜擢される。オバマ内閣では最年少の長官。

 双子の兄ホワキン(現テキサス州選出下院議員)と共にアファーマティヴ・アクション(大学の入学者数にマイノリティ枠を設ける法)によって一流私立大学のスタンフォードに入学。卒業後も兄と共にハーヴァード・ロースクールに進み、卒業後は市議を経て市長に。自身の経歴から、トランプが反対するアファーマティヴ・アクションを強く支持している。

 祖母の代にメキシコからアメリカに移住したメキシコ系三世。政治活動家の両親の影響で政治に強い関心を抱くようになったと言う。い、トランプの「壁」問題への対応が注目される。

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