松本人志はなぜ炎上“被害者”になり、面白い表現への挑戦をやめてしまうのか

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『ワイドナショー』スタッフが松本人志の発言をカットしなかった理由

 『ワイドナショー』は事前収録の番組であり、誰が見ても問題のある<お得意の身体を使ってなんかするとかさ>がカットされずに放送されたことに対し、フジテレビ側の責任を問う声も起きていた。

 これに対し松本は、<基本的にこの番組は僕の言うことをできるだけカットせずに使っていきたいという暗黙の了解というか、決めてはないですよ、決めてはないですけど、まあそういう番組なんですよ>と、『ワイドナショー』の編集における基本姿勢を説明した。

 つまり、逆に言えば、松本がカットしてくれるようスタッフに指示を出せば、本番で口が滑ったとしても、後からその発言をなかったことにすることが出来ることを意味する。

 では、なぜ松本はカット指示を出さなかったのか?

 その理由について、松本は、<理由は簡単なんですよ。鬼のようにスベってたからなんですよ。鬼のようにスベったら、逆に恥ずかしくて言えないですよね。あんだけスベってたら恥ずかしくてね。はやく家に帰りたいという。それがあって言えなかった>と説明した。

 確かに、松本本人はジョークのつもりであっただろう<お得意の身体を使ってなんかするとかさ>に、スタジオから笑い声が漏れることはなかった。こういったセクハラおじさんの交わし方には慣れている指原ですら(そういった技術を向上させなければ生きて行けない社会であること自体に問題があるのは言うまでもない)、<なにを言ってるんですか。ヤバッ>と、ギリギリで空気を壊さないように苦笑いを浮かべることしか出来なかったことが、“いかにスベっていたか”をなによりもよく表している。

 要するに、NGTの暴行事件が茶化していいネタではないことは、その場ではっきりしていた。その構図に自覚的なのであれば、恥ずかしいもなにもなく松本はスタッフに指示出しをしたはずだが、事件の深刻さを想像することもできず“鬼のようにスベッた”と感じただけだったようだ。

 いち出演者にも関わらず編集権の一部を付与されるような権力をもっているとの告白は、余計今回の騒動における松本の問題点を浮き彫りにする。つまり、あまりのひどさにスタジオ中が引いていたことにすら気づかず、「ボケがスベった」ぐらいの認識でしかなかったということの証左だからだ。

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