「よしもとブサイク芸人ランキング」の是非を問う――“芸人だから”“男だから”ブサイクやハゲは笑える?

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 今、視聴者は、違和感を覚えた視聴者はその思いをSNSで吐露し、議論を広めることができる。そんな今の世に、女性芸人の容姿をいじる、あまつさえランキングづけするような企画が通るとは思えないし、もし発表したところで厳しい批判を受けることは目に見えている。「べっぴんランキング」「ぶちゃいくランキング」が廃止されたのは、時代の趨勢だったといえよう。もはや「ブス」や「ブサイク」、あるいは「男前」「べっぴん」などとカテゴライズする、その笑いのセンスが古臭いことは、誰の目にも明白だ。

 そこで今いちど問いたいのは、男性への「ブサイクいじり」はなぜ許されているのか、ということだ。女性への「ブスいじり」はたびたび物議を醸すにも関わらず、今回の「よしもとブサイク芸人ランキング」への異論の声は小さい。むしろ、女性へのそれに比べればないに等しいようなものだ。「ブサイク」も「ブス」も、人の外見をイジって笑いに変えようとする本質は同じなのに、男性への容姿イジリだけが見逃されている現状は不自然だ。

 ただ、芸人にとっては「ブサイク」だろうが「ぶちゃいく」だろうが、すべて芸のこやしだ、という価値観は根強いだろう。その領域に、ポリコレだの何だのという概念を持ち込まれたくないという芸人も多いだろう。そこには、一般人には触れられない“芸人世界の理論”があるのかもしれない。

 近藤春菜が2015年に「ぶちゃいく」3連覇で殿堂入りした際、「男芸人はブサイクと言われて仕事が増えるけど、女芸人はただ悪口を言われるだけ」とコメントしていたように、「ブサイク」は笑いを起こし、カネになる。

 しかしそういう芸人の世界、要するにテレビ業界の論理に、視聴者まで付き合う義理はない。「ブサイクやハゲは笑える存在」という、よくよく考えればおぞましい不文律を、“あくまでも芸人が仕事としてやるなら”という注釈付きで受け入れ続ける必要はない。女性への「ブスいじり」が問題視されるのであれば、男性への「ブサイク・ハゲいじり」もまた、問題含みの視点ではないのか。当事者である男性芸人が傷ついているかどうかに限定せず、社会一般に与える影響力の面で、このランキングの是非を問うべき時期が来ている。

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