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都立高校暴行動画で生徒へのネットリンチ過熱 「大人なめんな」の威圧では解決しない

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Thinkstock/Photo by maroke

 東京都立町田総合高校で生活指導を担当する男性教員が、校内で生徒を暴行し怪我を負わせたことが今月18日、わかった。教員は暴力を認め、生徒と保護者に謝罪。東京都教育委員会は、教員の処分を検討しているという。

 暴行があったのは1月15日のことで、その様子を撮影した動画が生徒の手によりTwitter投稿され、拡散した。75秒ほどあるその動画の冒頭、撮影者らしき生徒の「Twitterで炎上させようぜ」という呟きが聞き取れる。教員と生徒は廊下で激しく口論しており、生徒は「出てけって、何様だよ」「病気と一緒だろ」「どう落とし前つけんだよ」「こんだけ言われて、俺がそのうちキレるとは思わないの?」「考えろよ、その小さい脳みそで」などの暴言を吐いていた。一方の教員も激高し、「誰に言ってんだ、てめぇ」「何だよ、この野郎」「ふざけんじゃねえよ」などと罵声を浴びせながら生徒を殴りつけ、引きずり回す。他の生徒が「それはよくないです」と止めに入るも、教員は「やかましいわ!」と遮る。また、教員が生徒を殴っている間にも、撮影者の笑い声があった。

 1月21日放送の『スッキリ!』では、およそ20分に渡ってこの問題をクローズアップ。拡散された動画の一部始終を公開した上で、番組が取材したという、教員の“元教え子”や“友人の子が教え子”による「優しい体育の先生」「生徒からめっちゃ信頼されていて尊敬もされていた」「昔の昭和の先生」「殴るような先生じゃなかった」という証言が紹介された。

 証言者の中には「ニュースを見たら先生が100%悪くなっちゃっている。あんまり事実と違っていたので」と語る人もいたが、18日放送の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)でも教員を責めるというよりは「暴行はいけないが、前段がわからない。生徒がわざと怒らせた可能性もあり」とまとめられており、一方的に学校側を責めるマスコミ報道が目立ってはいないだろう。学校関係者によると、動画を撮影したのは被害生徒と同じグループの生徒だという。

 MCの加藤浩次をはじめとする番組出演者たちは一様に、「暴力はいけない」という前提のうえで、教員が生徒を暴行するに至るまでの前段階があったとして、被害生徒や、炎上狙いで動画を撮影したとされる被害生徒の仲間に対して批判的な姿勢だった。

 近藤春奈は「『ツイッターで炎上させようぜ!』って言いながら隠し撮りをして、かなりの挑発をしている。この行為も暴力じゃないか」、杉山愛も「本当に、言葉の暴力。撮っている側もふざけているのが目に見えますから、『やっちゃってるよ~』みたいな雰囲気が出ている。先生に同情したくなるような思いすら出てくる」と、生徒の行動を疑問視した。

 取材を行ったリポーターの阿部祐二も、「我々の取材において、暴力につながるような先生の評判は一切出てこない。熱い先生であると、いわゆる生徒に立ち向かうタイプの先生であると。これいい先生ですよね、俗にね。いい先生であるという評判しか出なかった」と教員を擁護。その一方で、被害生徒を含めたグループについては、学校関係者に聞いた話として、「他の教師に対しても、授業を妨害する、からかうなどして、SNSに投稿していた。今回の行為だけではない」こと、他の生徒にも今回の動画の拡散を頼んでいたこと、だから「拡散」を狙った可能性も指摘されている、と説明した。

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