都立町田総合高校暴力事件に大人たちが示した異常な過剰反応、「どんな良い先生だろうが殴ったら駄目なんだ」と冷静なのは武井壮だけ

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Thinkstock/Photo by DONGSEON_KIM

 東京都立町田総合高校の男性教員が1年生の男子生徒に暴行を加え、ケガを負わせた事件が波紋を広げている。暴行の一部始終を収めた動画が生徒の手によってTwitterに投稿、拡散されて問題となったものだが、じつは生徒が教師を煽って暴力を仕向けたという疑惑が浮上し、世論は男性教諭の擁護へといっきに流れた。

 21日放送の『スッキリ』(日本テレビ系)では、加藤浩次が「僕は思うんだけど、やっぱり生徒も裁かれるべきでしょ。生徒は先生をハメられるんだもん」「もし『ほら、やってやったよ、あの先生。処分を下さしてやったよ、俺が』って生徒が言ってるんだったら、『大人ナメんな』って話ですよ」と、生徒を厳しく糾弾。ネット上では、加藤の持論を賞賛する声も多かった。

 さらに、22日放送の『バイキング』(フジテレビ系)でも、ヒロミは「率直に気分の悪い動画だとは思う」「会話を聞いていたらどっちが先生だか生徒だか分からない」「このガキども連れて来たらシメたい。全員まとめて。本当に大人をナメているというか、生徒としての資格がないよね。学校の教師の資格がないという人もいると思うけど、こいつらに生徒としての資格はない」と、怒りを隠さない。MCの坂上忍も「どうしても先生のほうに同情心がいってしまいます」と、歯切れの悪いコメントを残した。

 世論は彼らとおおむね同じ意見なのであろう。ネット上では「生徒の非は大きいと思う。先生に罪はないと思う」「校則を守らずにいる生徒を、停学にせず指導するにはこれしかないでしょう。そういう親心的なことに甘えて、何度も同じことを繰り返したのなら、生徒と家庭に問題があるのでは」「高校は義務教育ではないんだから、校則がイヤだったら辞めればいいのに」などといった書き込みが溢れている。

 さらに、批判の矢面に立たされた男子生徒たちの本名やTwitterはすでに特定され、炎上している。もし、生徒たちに教師をハメようという意図があったとすれば、たしかに衝撃的な事件ではある。しかし、問題の本質はそこではないのではないか。

 今回の事件において、教師から殴打された生徒を擁護する意見は、ほぼ皆無だ。あたかも教師の暴力を肯定するかのような世間の動きには、違和感しかない。

 今回の事件は、いったいなにが多くの人々の琴線に触れたのだろうか? “大人をナメたガキ”たちが、生意気にも校則を守らず、あまつさえ教師を陥れたというところだろうか。この事件は、大人たちのプライドを傷つけたのか? 加藤浩次やヒロミらの過剰反応は、まるで“大人たち”が、自らの立場と尊厳を“大人をナメたガキ”から守ろうとする必死な姿のようでもある。何より、彼らが学生だった頃、校則を遵守し、教師の言うことをよく聞く優等生だったかといえば、決してそうではないだろう。かつての自分たちを見ているようで、恥ずかしくなったとでもいうのだろうか。

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