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若者が出会い系をより安全に使うにはどうしたら良いか

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トランス男子のフェミな日常/遠藤まめた

 もうすぐ春が到来!ということで、突然だけれど、みなさんは「出会い系」を使ったことはあるだろうか。マッチングアプリに掲示板。今はいろいろなサービスがあるらしい。私はこれまで出会い系を使ったことはなくて、どちらかというと「出会い系」にめらめらと闘争心を燃やしていた方の人間である。

 ふりかえれば中高時代。クラスの目をつけていた可愛い女子が「出会い系に登録したんだ」ときゃっきゃ話しているのを苦々しく聞いていた自分には、気がつけば「お父さん」などというニックネームがついていたのだった。とっくに成人した現在でも、LGBTの子ども・若者支援をしている人間のひとりとして「出会い系」は自分のライバル的存在だと思っている。

 2000年代以降、居場所のない子どもたちは全員インターネットに向かうと表現してもオーバーではあるまい。「高校生 ゲイ」でネット検索すると、トップに並ぶのはエロサイトか出会い系コンテンツなので、そこで悩み相談をしては傷ついてしまうユースがいる。先日も中学二年生の男の子が大人から性被害に遭う事件が起きた。その子は、同性が好きかもしれないと掲示板で悩み相談をしていたという。こういう悲劇を無くすためにも、LGBTのユース支援団体は存在感を出していかなくては行けない。

 しかし、こちらは、しがないサポートグループである。しがないサポートグループが、人間の三大欲求をバックに控えたエロコンテンツとSEO対策の面で競争するなんて、どう考えたって並大抵のことではない。そんなわけで、かつての「お父さん」は今も「出会い系」とサーチエンジン上で戦っているのである。ああ無常。

 とはいえ「出会い系」は楽しいし、便利だし、実際にたくさんの人たちから愛されている。エロいことが大好きな人もいるし、インターネットなしに恋人候補を見つけるのが難しい人もいる。「出会い系はキケンです!ダメ!ゼッタイ!」と言っても、イケてない薬物防止ポスターみたいで、なんの効果もなさそうだ。どうせなら、多くの人たちが興味を持っていて、使う可能性が高い「出会い系」コンテンツについて、どうすればより安全な使い方ができるのかを考えられるような場があってもいいんじゃないかと思うようになった。

 欧米の調査では、同性愛の若者が自分の裸の写真を知らない人に送る「セクスティング」の経験率は、そうじゃない若者に比べてとても高いという話がある。どうせやっちゃうんだったら、より前向きに、楽しくて安全な方法について話せた方がいい。それに自分だって、食わず嫌いなだけで、使ってみたらどハマりするかもしれないし(パートナーおるけどな)。

 そんなわけで、この春から「出会い系アプリ反省会」というチャラさ300%のYouTubeチャンネルを仲間たちと始めることになった。現在、しくじり経験豊富な人気YouTuberや、歩く性教育な友人が企画に関わっている。出会い系アプリを使って楽しかったこと、失敗したこと、安全のために気をつけていること、モテる自撮りの撮り方など、いろんな角度からフランクに「出会い系」について語るコンテンツをやりたいと思っていて、ツイッターのアカウント @hansei_now でたくさんの人からの意見を絶賛募集中だ。「知らない人の家に行くのは3回目以降がいい」みたいなライフハックでも、「エロチャットのための英単語はここで覚えた」でもいい。いろんな人から、出会いに関する経験談をいただけると「お父さん」も喜びます。ちくしょう、いつかSEO対策で見返してやる……!

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