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インフルエンザでも出社し、ホームから転落死――日本の異常な労働環境

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Thinkstock/Photo by TAGSTOCK1

 1月22日の午前9時半ごろ、出勤途中の会社員の女性(37)が東京メトロ日比谷線中目黒駅のホームから転落し、走ってきた電車にはねられ死亡した。警察の調べによると、女性は2日前から同居している家族に体調不良を訴えていたようで、搬送された病院の確認では、女性はインフルエンザに感染していたことがわかった。警察庁は、インフルエンザによる体調不良と転落の因果関係や自殺の可能性について調査を進めるという。

 女性がインフルエンザに羅患していたことと、ホームから転落して命を落としてしまったことに直接的な関連性があったかは不明だが、この事件からは、2つの問題点が読み取れる。

 1つ目は、女性は数日前から家族に体調不良を訴えており、インフルエンザに感染していたにもかかわらず、出社しようとしていた点だ。インフルエンザの症状には、激しい気怠さや思考力の低下などが見られる。それでも女性は出社しようとしていたのだろう。

 女性向け転職サイト「女の転職」の調査によると、「体調が悪いときに、無理をして出社したことはあるか」という設問に、95.9%の女性が「ある」と回答している。また、その理由を聞いたところ、5人に1人が「我慢すれば動ける程度だったから」(21.4%)と答えている。インフルエンザのような体調不良であっても、休むことをネガティブに捉えるような風潮が、彼女を会社に向かわせたと捉えることもできる。

 最近では少しずつ見直されつつあるが、日本ではいまだに「皆勤賞」が評価されやすく、病を押してでも出社することが美徳とされてきた。しかし、病気であっても休みづらい、休めないような労働環境が、異常であることは言うまでもないだろう。

日本は「出社至上主義」を見直すべきだ

 そして2つ目の問題は、出社至上主義だ。総務省の「テレワークの最新動向と今後の政策展開」によると、日本企業のテレワーク導入率は13.3%だった。アメリカ(85.0%)、イギリス(38.2%)、ドイツ(21.9%)と他の先進国と比較すると非常に低い。日本企業が、いかに出社を前提とした働き方を強いているかという現状が表れている。

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