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年末年始や連休など、長い休暇が明けてみたら見事にお腹がポッコリで、おまけに睡眠時間は足りているのに疲労感が消えない。そんな心当たりのある人は、ある筋肉がおとろえているのが原因かもしれない。
ヒトの身体は、脳や心臓、肺は頭蓋骨や肋骨で守られている。だが、肝臓や腎臓、消化器官などの内蔵は、体幹部分の筋肉で支えられている。じつは、カラダの不調を招く原因のひとつに、体幹部の筋肉不足が考えられる。
天然のコルセット「腹横筋」
ヒトのカラダの最も深層にある「腹横筋」は内蔵を包む「天然のコルセット」だ。内蔵の働きと密接な関係がある。暴飲暴食、運動不足が重なれば、腹横筋もおとろえて、次のようなことが起きる。
① 見た目:腹横筋が弛緩すると臓器が落ち込み、下っ腹がポッコリしてくる。
② 代謝が落ちる:臓器の機能低下によって疲労感が抜けなかったり、代謝が落ちたりして悪循環が生じる。
③ 取り込む酸素が減る:「横隔膜」の動きが鈍り、呼吸が浅くなって取り込む酸素が減る。すると、体脂肪が燃えづらい、眠りが浅いなどとカラダが正常に働けなくなる。
そこで、このようなトラブルを解消する、腹横筋の効率的な鍛え方を紹介したい。
スキマ時間でも「腹圧」強化は可能
腹横筋を鍛えるためのポイントは「腹圧」。“腹圧をかける=お腹に力を入れる”と誤解さしている人もいるが、似ているようで違う。腹筋に力を入れても、腹圧は上がらない。腹圧とは、腹横筋の収縮による圧力だからだ。
ヒトの背骨は緩やかなS字状になっているが、腹圧をかける際は、このS字の下の部分を真っ直ぐにする必要がある。具体的には、「腰椎を曲げる(屈曲)」、もしくは「骨盤の後傾」という動作だ。では、実際にやってみよう。
① 適度な硬さの床(ヨガマットや畳などの上)で仰向けになる。
② 息を吸いながら、背筋を伸ばし腰の下に手を入れ、腰部のアーチを確認。
③ 息を深く吐きながら、アーチを押しつぶしていく。
④ 息を吐ききったら、3~5秒キープ。その腹圧を保ちながら息を吸う。
⑤ ③~④を10~20回繰り返す。
*腰のアーチをうまくつぶせない場合、少し膝を曲げてやってみよう。
まず、「腹圧をかける」という呼吸動作に慣れることが大切だ。この腹圧をかける呼吸が意識できるようになれば、通勤中の電車内や、テレビを観ているCM中など、ふだんのちょっとしたスキマ時間にもトレーニングができる。もちろん、常に腹圧をかける呼吸をすれば、よりカラダを強化することが可能だ。
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