専業主婦優遇の国民年金「第3号被保険者」制度の欠陥

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生き延びるためのマネー/川部紀子

 ファイナンシャルプランナーで社会保険労務士の川部紀子です。皆さん、ねんきん定期便は届いていますか? 毎年誕生月に届くのでぜひ確認してみましょう。通常は圧着ハガキで届くのですが、35歳、45歳、59歳は節目の歳という扱いでA4サイズの用紙が数枚入った水色の大きな封筒で届きます。

 そこで今回は、実在する45歳の専業主婦とフリーランス女性のねんきん定期便から、払った年金保険料と将来の年金の見込み額を紹介します。国民年金は20歳になると基本的には全員が加入します。その後の生き方・働き方により年金保険料の納付状況はさまざまですが、45歳となると25年間が経過したことになります。国民年金保険料の納付は60歳までですから、残り15年。納付すべき期間の半分以上が経過しました。

【フリーランスの長いK子さん】

これまで納めた年金保険料(44年7か月分):3,673,565円
25年の納付実績による年金の見込み額:638,799円(年額)
 ※残り15年の実績を積むことで手に入る年金が増えることになります。

①10年間のOL生活

給料天引きで厚生年金保険料を払っていました。厚生年金保険料を納めている期間は国民年金保険料も納付扱いになります。

②30歳でフリーランス起業

最初は食べていけるほど稼ぐことができず、実質アルバイト生活でした。国民年金保険料を払う立場ですが、所得が少ないため、申請により約3年間保険料免除を受けています。免除期間は、とても重要な「加入していた期間」にはしっかりカウントされますが、将来の年金額は3分の1から2分の1に減額されます。もしも、あの時、免除申請をせず未納で放置していたら、期間にも年金額にもカウントされないので、手続きしていて本当に良かったです。

③本業一本でフリーランス続行中

本業での売り上げが増えたため、33歳からはアルバイトも辞め国民年金保険料を払っています。免除期間の分の保険料を過去10年分払う機会が設けられたことを知らせる郵便が届いていたのですが、それなりにまとまった金額の納付に戸惑っていたら期限切れになってしまいました。決して高所得ではありませんが、引き続き60歳まで月16,000円ほどの国民年金保険料を納め続けることになりそうです。

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