北原:そしてその息子たちが「自分の母親は強かった」といって、同じような嫁を再生産する。
雨宮:そうそうそう!
北原:その女性たちは、自分がつらい思いしたから下の人にもさせる、じゃなくて、ちゃんと農業新聞に投稿して社会を見直していこうっていう気持ちを持ってるよね。それは喜びですね。
雨宮:でもこれはいま生きている世代の話だから、呪いは脈々と続いてるなと思いました。
北原:いまの若い女性たちは、どんな呪いにかかってるのかな?
呪いはいまも昔も変わらない
雨宮:高校生と話したら、「女性としての生きづらさをぜんぜん感じない」といっていました。お、それはいいなと思ったんですが、女子校の1年生だから、まだ感じていないのかもしれないです。その学校は、フェミニズムに理解があるみたいなんですよ。今後卒業して男社会に入っていったときに、「無知なふりをしなければならない」などの振る舞いを求められるようになると思いますが、そのときにどう感じるかですよね。
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北原:いまの呪いも、昔からいわれてるものとそんなに変わらないんじゃないかな。
雨宮:同じですね。「かわいくいなければいけない」「家事も育児も」など、本当に変わらない。
石川:これには私も思わずうんうんと頷いてしまいました。自分が高校生のときって、まだそんなこと思っていなかったです。いま考えると、「なんかこれ嫌だな?」と思ったとしても、当時は何が嫌なのかわからない、ということもありました。あのときのあの嫌な気持ちは、女性としての尊厳を傷つけられていたんだな、と今なら説明ができます。
北原:8月には、東京医大の東京医科大の女性差別入試が報道されましたよね。