「この社会で女性でいることは、死と隣あわせなのかもしれない」北原みのり☓雨宮処凛対談

文=石川優実
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雨宮:それをきっかけに、次々といろんな大学で同じ問題が出てきましたね。「女子はコミュニケーション能力が高いから減点した」なんていい出したところもありましたけど、膿が出てきた感じです。

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「この社会で女性でいることは、死と隣あわせなのかもしれない」北原みのり☓雨宮処凛対談の画像2 ウェジー 2018.08.21

北原:出しきりたいですね、その膿。私はその直前、韓国の釜山とソウルにフェミニズムを取材しに行っていたんです。韓国では#MeTooが盛り上がっているし、2016年に江南駅で女性が「女性だから」という理由で殺されたときにはたくさんの人がポストイットに追悼文を書いて貼り出した。そういう声が社会の声になっていくのは、やはり「慰安婦」問題が大きいと思うんです。性暴力被害者たちが声をあげて、社会を変えていく、フェミニズムが韓国の民主主義の根幹にあるというのを実感します。

女性が声をあげられない理由

北原:先日、釜山にある民主抗争記念館に行ったんです。韓国の民主主義の闘いの歴史を伝える場所です。そこでね、韓国のデモにつきものという「ウンコ水」のことを知ったの。ウンコ水だよ、怖くない?

雨宮:一番怖い。逃げますね。

北原:武器をもたない市民が、武器として持つのがウンコ水。でもその民主抗争記念館では、労働運動のなかで男性の経営者が女性の運動家にウンコ水をかける写真が残ってたの。権力にかけるべきウンコ水が、声をあげた女にかけられる。そういうところから、女性たちは戦って来たんだなーって。そんな思いで8月1日に東京に戻ってきたら、2日に東京医大のニュースでしょ? これはもう、東京医大にウンコ水かけにいかなくちゃ! って思ったの。

女の人の悔しさがいっぱいあるんだよね。だけど、本当に被害にあった人が声を上げにくい。ほんとは、こんなわかりやすい差別、当事者がどんどん出てくるはずと思っていたけれど、実はそういうことはない。医学部のなかで生きていきたいと思う人ほど、その世界で声をあげることは怖いんだと思う。だからこそ、代わりに怒る人、声をあげる人というのが必要なんだな、って思います。

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