「この社会で女性でいることは、死と隣あわせなのかもしれない」北原みのり☓雨宮処凛対談

文=石川優実
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北原:被害者が声をあげにくいし、そして声をあげた被害者を叩く、という状況が日本にはありますよね。伊藤詩織さんが声をあげられたときは、本当にひどかったですよね。ブラウスの第二ボタンをあけていたことが「被害者らしくない」などと言われたりした。
性暴力に対して、「加害者か、被害者、どちからが嘘をついている」という視点でしか社会がみようとしない。そういうなかで、常に被害者が疑惑の目でみられる。本当に酷い話。

伊藤詩織氏のドキュメンタリーでBBC が映し出したのは、性暴力を軽視しすぎる日本社会の現状

 6月28日、BBCの英国向けテレビチャンネルBBC Twoにて、ジャーナリスト・山口敬之氏からの準強姦被害を訴えている伊藤詩織氏を取り上げたド…

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「この社会で女性でいることは、死と隣あわせなのかもしれない」北原みのり☓雨宮処凛対談の画像2 ウェジー 2018.07.03

北原:日本は、被害者が“合意がなかった”ことを証明しなければいけない。合意があったというのなら、加害者側が合意があったことを証明すればいいという話にならず、被害者の精神的負担があまりにも大きいです。そういうなかでも、伊藤詩織さんが声をあげられたのは、仲間がいたことだと思うんです。伊藤さんと女ともだちが、「なかったことにはしたくない」という思いで、「あきらめろ」というさまざまな圧力のなか、あきらめずにがんばった。証拠を集め、なんとか逮捕状までたどりついた。そういう逮捕状があっけなく取り消されたとは、本当に恐ろしい社会です。でも、あきらめず、声をあげ、騒ぎつづけなくちゃって思う。2019年は日本でも#MeTooがもっと大きくなればいいなと思います。そういう世界にしていかないとね。

ハラミ会は被害者意識の表れ

雨宮:#MeTooは流行語大賞のTOP10にも入りましたしね。平成元年に「セクハラ」が新語大賞になって、平成最後が「#MeToo」。だけど30年というあいだ……ほとんど進化してないともいえる。

その一方で世界ではノーベル平和賞*のこともあって、#MeTooを応援する流れもできてきていますよね。そこはすごい希望ですね。*性被害を受けた女性4万人以上を治療したコンゴのデニ・ムクウェゲ医師と、過激派組織に性奴隷としてとらえられた経験を告発した国連親善大使のナディア・ムラドさん。性暴力根絶を訴える両氏が受賞した。

北原:セクハラっていわれはじめたのって、平成なんだよね。昭和のときのあからさまな性差別と違って、「もう性差別ってないよね」という前提で行われる性差別がどんだけきついか。「お前の感覚おかしい」「女のほうが優遇されてる」「レディスデー」「女性専用車両」……。セクハラとか性被害とかを、「女のひと言で俺の人生が破壊される」ぐらいのことにしか考えていないような感覚。

雨宮:本当にそうですよね。罰せられるから、としか考えてないですよ。

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