
(上)2016年に解散したSMAP/(下)嵐
国民的アイドルグループ・嵐が2020年をもって活動を休止することを発表した記者会見は、好感度をさらに上げる見事なものだった。しかしこれを、不本意な解散騒動で世間を騒がせたSMAPと比較し、「嵐とSMAP、どっちが格上か?」という論争が勃発している。
芸人のビートたけしは、29日の東京スポーツ(web版)の記事で、嵐の活動休止について言及し、<まあ嵐もバカじゃないから、わきまえてるんじゃないかな。何だかんだ言っても、やっぱり一番長持ちしたグループはSMAPだからね。嵐も同じような流れで出てきたグループだけど、あそこまでは行けない。SMAPとは時代が違うからね><ハナからね、嵐と比べたらSMAPの方が上だし。悪いけど、レベルが違ったから>と比較した。
一方で、シンガーソングライターの矢野顕子は28日、Twitterで<嵐は偉い。2年間もちゃんと仕事をする約束をした。スマップの最期を間近で見ていたであろう、あれを踏襲せずに、自分たちに見える部分も見えない部分にも、できるだけ配慮をして。ファンになっちゃいそうだわ>とツイート。2016年末に解散したSMAPの引き際と比較し、嵐を褒めた。これは“最期”という表現もあってSMAPファンの不興を買い、<嵐に乗じて、わざわざSMAPを貶める必要ありますか?><SMAPを引き合いに出されると、彼らを愛している私達は傷をえぐられる思いです。SMAPもファンも、まだ死んでいません!>などと、批判のリプライが飛び交った。
矢野顕子は同日中にTwitterを更新し、<嵐に関するツイートで意図せぬ伝わり方をしてしまったため、とても驚いてしまいました。どなたのことも傷つける意図は全くありませんでしたので申し訳なかったです。スマップってずうっとファンの人達の心の中に一ミリも欠ける事なく存在しているんだ、ということがよくわかりました>と謝罪している。
日本中に衝撃を与えた嵐の活動休止発表をきっかけに、SMAPと嵐“どちらが格上か”と比較する向きがあるわけだが、ネットでは両者のファンの意見が分かれ、<さすがたけし! SMAPの素晴らしさをよく分かってらっしゃる!><嵐はもうSMAPを超えてるし、負け犬の遠吠えにしか聞こえない>などと、議論は紛糾している。
現役で日本一の経済効果を誇る嵐と、偉大な先達であるSMAP、ふたつの国民的アイドルグループがその在り方を比較されるのは、自然の成り行きかもしれない。そして確かに、SMAPと嵐の“引き際”は対照的なものだった。
準備万端だった嵐の活動休止会見は、関ジャニ∞・渋谷すばるの脱退会見とは対照的
1月27日、国民的アイドルグループ・嵐の活動休止が突如発表され、ファンのみならず日本列島に激震が走った。この日、嵐が行った会見では、記者から「…
明暗分かれた? SMAPと嵐の“引き際”のナゼ
嵐の活動休止会見は、明るく前向きだった。まず活動休止の申し入れは大野智からだったと明かしつつ、最終的にはメンバー5人で下した決断だったと明言。大野がメンバーに相談を持ちかけたのが2017年6月中旬で、メンバーの意志が固まりジャニーズ事務所に報告したのは2018年2月のことだったという。そして、2018年6月に事務所が合意したと仔細な経緯が説明された。記者からはメンバー間の揉め事やケンカについても質問が飛んだが、これもしっかり否定している。
また、嵐は2020年いっぱいで活動休止に入るが、まだ2年間の猶予が残されている。昨年12月には興行中の20周年コンサートツアーに32公演を追加することを発表しており、2019年末までに全50公演、総動員数237万5000人の史上最大規模の興業となる。これは、嵐が多くのファンに“誠意”を見せたということだ。突然の活動休止発表ではあったが、ファンに感謝を伝える時間が残されている。このように、嵐の計画的に活動休止には、傷心のファンからもまさに絶賛の“嵐”だ。
一方で、2016年に勃発したSMAPの解散騒動は、本人たちの説明なきまま幕を閉じた。まず、2016年1月13日に独立騒動がメディアにすっぱ抜かれ、SMAPは急きょ、1月18日放送の『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)で騒動を“謝罪”。黒いスーツに身を固めた5人は沈痛な面持ちで、さながらお通夜のようであった。この時点では「解散はしない」と説明していたものの、木村拓哉が「このままの状態だと、SMAPが空中分解になりかねない状態」とも言い表したように、この時点ですでに手遅れであることは明白だった。