統計偽装は国を滅ぼしかねない。厚労省だけじゃない、好景気装うウソ

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政府に忖度したデータ偽装

 ここから問題が拡大しました。本来、従業員500人以上の事業所についてはすべての事業所のデータをとり、これを集計すべきでした。しかし、東京都については全体の3分の1程度の事業所を抽出してデータをとり、他の事業所のデータはとらなかったことが判明。ここでルール違反をしていたのですが、さらに、昨年のサンプル抽出に際しては、伸びが高まるような「意図」をもってサンプルを選んでいた可能性が指摘されました。

 アベノミクスの成果として、政府は雇用賃金の改善を強調していました。ところが、労働者の実質賃金がなかなか増えないことにしびれを切らした厚生労働省の担当者が、賃金の伸びが高まったことになるようにサンプルを選んだというわけです。政府に忖度したデータ偽装ということになります。

 全数調査の決まりを無視して一部の事業所を抽出していたことも問題ですが、数字を高く見せるデータ偽装は、より罪深いものです。国民を騙していかにもアベノミクスが成果を上げていると思わせ、政府の支持を高めようとしたことになります。

 厚生労働省はこのほか、「速報」で高い数字を出し、メディアを通じて所得の改善を印象づけ、のちに「確報」で数字をこっそり下方修正する手法を続けてきました。「速報」では伸びが高まっていたはずなのに、後になってみると知らぬ間に数字が下げられているのです。皆があまり注目しない「確報」で修正する姑息な手法です。

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