統計偽装は国を滅ぼしかねない。厚労省だけじゃない、好景気装うウソ

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次々と露呈する各省庁の統計偽装

 問題は、これが厚生労働省に限った問題でないことです。政府は急遽、56の基幹統計について調査を行いましたが、このうち22の統計に何らかの問題があることがわかりました。国土交通省の「建設統計」では、2017年の請負額が過剰に集計され、15%以上の増加となっていましたが、正しくは2%台の低い伸びだったことがわかったのです。

 財務省の「法人企業統計」では持ち株会社と子会社の利益が二重計上されていることがわかり、経済産業省の「商業動態統計」でも問題が指摘されました。いずれも「毎月勤労統計」のようなルール違反や恣意的な操作は見られないといいますが、その評価にも疑問があります。少なくとも、私が気づいただけでもいくつか不自然な統計があります。

 たとえば、総務省の「労働力調査」にある失業者数が異常に少なく、日本の失業率(昨年12月で2.4%)も実態よりかなり低く出ている可能性があることです。昨年12月の完全失業者数は159万人となっています。しかし、厚生労働省の「一般職業紹介」によると、12月の有効求職者、つまり失業保険を受給する資格のある人は174万4千人となっています。

 有効求職者とは、失業保険を申請するために各地のハローワークに行き、保険の申請をし、その受給が認められた人の数で、彼らは失業者になります。失業保険をもらっている人、およびもらう資格のある人の数よりも、失業者の数が少ないというのはあまりに不自然です。この174.4万人はそもそも失業者のはずですが、彼ら以外にも仕事を探している人はたくさんいます。

 職探しをしていても、失業保険の受給期間が過ぎてしまった人や、失業保険をもらえない65歳以上の人は、ハローワークに行ってもしようがないので、別のルートで職探しをするケースが多くなります。そうした失業者がゼロのはずがありません。たとえば、米国では失業保険をもらっている人の3倍近い失業者がいます。日本は正しく失業者を把握しているようには見えません。

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