統計偽装は国を滅ぼしかねない。厚労省だけじゃない、好景気装うウソ

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日本の輸出額も水膨れしている可能性が

 GDPの輸出を推計するのに使われる日銀の実質輸出にも疑問があります。日銀は財務省の輸出価格指数とは別に、独自に輸出物価指数を作成しています。ここではパソコンなど機能が高まったりメモリー容量が高まった新製品を前のモデルと同じ価格で売った場合、これら機能向上分を実質値下げと見て、価格指数を引き下げています。市場が機能向上分を評価せずに同じ価格で売っているかもしれないのですが。

 機能がどれだけ向上したら価格でいくら分の価値になるのかは誰もわかりません。それを日銀が独自に価格引き下げをすれば、どうしても恣意的になります。そして価格指数がそれだけ低下すると、実質輸出がその分大きくなり、現実のパソコン輸出金額が横ばいでも、実質輸出は増加したように表示されます。それだけ日本の輸出は水膨れしている可能性があります。

 統計偽装のほかに、統計の評価までゆがめて解釈している可能性もあります。内閣府の「景気動向指数」は、日本の景気が14年春から1年半以上も「下降」していたことを示唆しており、最近の景気動向指数も景気の「足踏み」を示唆しています。しかし、景気後退となればアベノミクスに傷がつくので、内閣府は景気判定委員に「景気後退はない」との結論を提示し、議論を封印してしまいました。

 政府は日本の景気が小泉政権時の「いざなみ景気」を抜いて戦後最長になったと胸を張ります。しかし、内閣府の統計によれば戦後最長ではなく、14年には景気後退に入っていた可能性があり、昨年秋からも少なくとも「足踏み」状態にあって拡大ではないことがわかります。これはデータ偽装ではなく、評価偽装というべきものです。

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