
(左)バーミヤン/(右)サイゼリア。両店舗とも、予算1000円以内でこの品数。(筆者撮影)
ファミリーレストランは文字通り、家族連れをメインターゲットにしたカジュアルタイプのレストランであったが、今やそのスタイルも変わり始めている。
“ファミレス飲み”という言葉を耳にしたことはあるだろうか。近年、ちょい飲みの場として、居酒屋代わりにファミレスを活用する層が増えている。大手ファミレスチェーン各社にもその需要を狙う傾向が見られ、各チェーン店が個性的なサービスを打ち出しているのだ。
その一例として、和食ファミレス「和食さと」の「さとバル」を紹介しよう。「和食さと」では、ドリンクバーコーナーの一角に、ビール(キリン一番搾り)、焼酎(麦・芋)、ウィスキー、梅酒、カシスリキュール、ピーチ酒、ジンなどのアルコール類が用意してあり、120分飲み放題のサービス「さとバル」では、セルフ式のバースタイルが楽しめる。ドリンクバーのお茶やソフトドリンクなどで割ることもOK。お好みの量・割り方で、思う存分、お酒を飲めるというものだ。

好評の「さとバル」(「和食さと」 公式ホームページより)
ちなみに「さとバル」は、平日(月曜~金曜)の終日と、土曜の開店から15時までは998円(税別、以下同/「さとバル」のみの利用の場合は1198円)。土曜の15時以降と日曜・祝日・特定日は1198円(「さとバル」のみの利用の場合は1398円)というお手軽価格で、話題沸騰中だ。
そんな「和食さと」も魅力的だが、今回白羽の矢を立てたのは、「サイゼリヤ」と「バーミヤン」である。なぜなら、「サイゼリヤ」と「バーミヤン」は1杯100円以下で飲めるアルコールメニューを揃えており、さらに低価格のフードメニューも充実しているからだ。低予算でどれだけ充実した“ファミレス飲み”ができるか――ちなみに、予算は1000円ポッキリだ――さっそく2店舗を比較していこう。
【サイゼリヤ】/500mlワインとおつまみ3皿で合計921円

サイゼリアでは、計4品を注文。締めて921円也!(筆者撮影)
まずは、「サイゼリヤ」にやって来た。さっそく注文した品を紹介しよう。
・フレッシュワイン白 デカンタ(500ml)/369円
・ほうれん草のソテー/184円
・キャベツとアンチョビのソテー/184円
・ポテトのグリル/184円
≪合計921円(税抜)≫
まずはメインとなるお酒の説明をしようではないか。「サイゼリヤ」では、イタリア中部モリーゼ州の契約ワイナリーで作られたハウスワインを提供。グラスワインは1杯93円とリーズナブルで、250mlのデカンタは185円、500mlのデカンタでも369円とかなりのおトク感だ。今回はグラスワイン4、5杯分に相当するであろう500mlのデカンタを注文してみた。
ちなみにメニューを眺めていたところ、ハウスワインのボトル(マグナム)が大容量1500mlで1000円という超破格。一般的なワインボトルは750mlなので、通常のボトル2本分にも相当する量だ。今回は予算オーバーのため控えたが、たった1000円でワインをガブ飲みできることには驚きだ。
しかしひとつ残念だったのが、デカンタもグラスもプラスチック製だったこと。乾杯したときにガラス特有の小気味よい音は響かないし、どうにも安酒感が際立ってしまって、正直、気分がダダ下がりであったことは注記しておきたい。
続いて、つまみとして注文したフードメニューについて説明しよう。
今回注文した「ほうれん草のソテー」、「キャベツとアンチョビのソテー」、「ポテトのグリル」は、いずれも184円。このアンダー200円のシリーズは、ほかにも「柔らか青豆の温サラダ」、「白菜のミックスピクルス」、「真イカのパプリカソース」があり、いずれもお酒のつまみにピッタリのメニューだ。
グラスワイン4、5杯分のデカンタとフードメニュー3皿を注文して、アンダー1000円。気持ちよく酔える酒量と、そこそこの満腹感を得られるフードの品数で、大満足のちょい飲みとなった。
ちなみに「サイゼリヤ」といえば、看板メニューの「ミラノ風ドリア」をはじめ、「辛味チキン」「ポップコーンシュリンプ」「アーリオ・オーリオ」「シェフサラダ」「やわらかチキンのサラダ」「わかめサラダ」「クラムチャウダー」なども、たった277円で楽しめる。ガッツリ食事をしたいのであれば、277円のシリーズを2品注文するのも良いだろう。