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児童虐待ハイリスク家庭、児童相談所が一時保護を解除したのちの「受け皿」も足りない

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Thinkstock/Photo by bodnarchuk

 父親に暴行を受け、小学4年生の栗原心愛さんが死亡した千葉県野田市の事件を受け、1月31日放送の『クローズアップ現代+』(NHK)では現在の児童相談所を取り巻く環境の厳しさや課題について特集した。

 死亡した心愛さんは、小学校のアンケートで父親からのいじめを訴えるなど自らSOSを出し、児童相談所に一時保護されたこともあった。小学校、児童相談所、市教育委員会、協議会など、複数の機関が、父親である栗原勇一郎容疑者の虐待を把握していたはずだが、それでも事件は起こってしまった。

 今年1月から心愛さんは小学校を欠席しており、勇一郎容疑者からは長期欠席を伝える連絡があった。専門家が危険な兆候とする「長期欠席」だが、小学校が児相に長期欠席を伝えたのは、約2週間後の今月21日。さらに、小学校から連絡を受けた児相もすぐに家庭訪問を行うことはなく、3日後の24日に心愛さんが亡くなっていることが確認された。また、児相は2017年12月に女児の一時保護が解除されて以来、一度も家庭訪問を行っていなかったという。

 番組では尾木ママの愛称で知られる法政大学特任教授の尾木直樹氏、花園大学准教授で児童相談所勤務経験もある和田一郎氏が議論した。

 尾木氏は「今回亡くなったのは小学4年生という大きい子で、あちこちにSOSのサインを明確に出していたし、それなのに、学校も児相も教育委員会も命を守ることができなかった」「被害者を守る徹底した姿勢がない。大人の大きい声に弱いようではだめ」と、関係機関の対応を批判。

 和田氏はアンケートを加害者(父親)に対して開示してしまったことは、「学校や教育委員会にクレームを出せば成功するのだと、成功体験を与えてしまった」と指摘。また保護解除後、およそ半年はチームを組んで定期的に訪問し情報共有することが通常マニュアルのはずだが、なぜ柏児相が通常のマニュアルから外れたことをしていたのか、検討の必要性があるとした。

和田氏「深刻な事例で一時保護された経験があるのに、そういう児童が休んだのに理由などを詳しく確認しない、そもそも児相に言わなかったのは大問題。(児相が訪問・状況確認しなかった)どうしていけなかったのか、行く余力がなかったのかも含め、検討しなければいけない」

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