児童虐待ハイリスク家庭、児童相談所が一時保護を解除したのちの「受け皿」も足りない

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 児童相談所は、虐待や非行など困難を抱えた児童に対応する最初の“入り口”だ。虐待などがあり家庭での養育が判断された児童は一時保護所で保護される。一時保護所の滞在期間は原則2カ月間。問題が解消されず、家庭に戻れない児童は、“出口”として「社会的養護」と呼ばれる児童養護施設や乳児院、あるいは里親・特別養子縁組の元で生活を送ることになるが、「出口」の受け皿は十分とは言い難い。

 20年前と比べ児童虐待相談件数は10倍以上に膨れ上がっているが、児童福祉司の数は2.6倍しか増えておらず、柏児相の職員は1人につき50件もの案件を受け持っていたそうだ。ただ、和田氏によれば千葉の一時保護所の評判はよく、「大変なのに現場の雰囲気がよいということは、組織の限界を超えた仕事をしていた可能性がある」とのことだった。

尾木氏「実際に児童福祉司の方はむちゃくちゃ一生懸命やっていて、欧米に比べると日本の児童福祉司が抱える件数は100をはるかに超えるなど、欧米の4倍や3倍。気の毒なくらい、目の回る状況」

和田氏「人もそうだが施設を含めてすべて足りない。虐待に関する日本の予算は1000億円。人口が違うがアメリカは3兆円。日本は非常に乏しい資源、乏しい人数で、過酷な業務をやろうとしているのが現状」

 厚生労働省は昨年7月に児童虐待防止対策に関する関係閣僚会議にて「児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策」を打ち出した。2017年度の児童福祉司の数は全国で3253人、2022年度までに2000人を増員し5200人体制とする目標を掲げている。しかし和田氏は「相談受付、ケアを入れると2万人くらいは必要」だという。また、“入口”の児童福祉司だけでなく、一時保護所の人員や場所、社会的養護なども同時に数を増やさなければいけない。

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