社会

麻生太郎副総理の「年寄りではなく産まない方が悪い」暴言、政治家の資質なし

【この記事のキーワード】

麻生太郎副総理 写真:松尾/アフロ

 失言が多いことで知られる麻生太郎副総理兼財務相が今月3日、地元・福岡県芦屋町で開かれた国政報告会にて「子どもを産まなかった方が問題」と発言。またもや物議を醸している。

 報道によると、3日の国政報告会で少子高齢化問題について触れた麻生氏は、自分が生まれた時代(麻生氏は1940年生まれの78歳)と比べ、現在の日本は平均寿命が延び、高齢者の比率が高くなっていることについて「素晴らしいことだ」とした上で、「いかにも年寄りが悪いという変な野郎がいっぱいいるけど、それは間違っていますよ。子どもを産まなかった方が問題なんだから」と語ったという。

 子どもを産まない選択をした、あるいは子ども産めない事情を持つ男女に対して著しく配慮に欠けた、不適切な発言だ。この件を「女性に対する配慮に欠けた失言」として取り上げるメディアも多いが、女性に限った話ではないだろう。

 子どもを産む・産まないは個人が選択することであり、政治家に「産まなかった方が問題」などと言われる筋合いはない。政治家の仕事は、個人への干渉ではなく制度設計の見直しだ。すなわち、子どもを育てたい人たちが、安心して出産や育児に望めるようなサポート体制が整っておらず、出産や育児を躊躇しかねない日本の現状を把握し、改善していくべきではないのか。

 麻生氏は2014年12月にも、衆議院選挙の応援演説の場で「高齢者が悪いみたいなイメージを作っている人が多いが、子どもを産まないのが問題だ」と発言している。その際も批判を受け、麻生氏は「不適切だった」と認め釈明していた。しかし今回、再び「子どもを産まなかった方が問題なんだから」と発言しているところを見ると、国政報告会という場においては「不適切な発言ではない」と考えているのかもしれない。

 「いかにも年寄りが悪いという変な野郎がいっぱいいる」「高齢者が悪いみたいなイメージを作っている人が多い」という言葉から、麻生氏は、高齢者が悪者扱いされるのは子どもを産まない選択をした人たちのせい、という見解を持っているようだ。年代や選択によって国民をカテゴライズし、「悪い」「問題」などと括る言動にも疑問を感じるが、30年も前からわかっていた少子高齢化社会の到来に、社会が対応できていないのは、自身を含む政治家たちの怠慢であるとは思い至らないのであろうか。

 厚生省(現・厚生労働省)が、1989年(平成元年)の合計特殊出生率が1.57まで下がったと公表したのは1990年。「1.57ショック」と呼ばれ、丙午の1966年(昭和41年)の合計特殊出生率である1.58よりも下回ったことから、少子化に対する社会的関心が高まった。しかし、「1.57ショック」からおよそ30年が経過した現在も、日本は子育てをしやすい社会になったとは言い難い。

1 2

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。