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かつて“オーディオ御三家”と呼ばれたパイオニア株式会社は今

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パイオニア株式会社公式サイトより

 電機・エレクトロニクス業界において、時代のニーズを取り込みながら変貌を遂げてきた企業を紹介するシリーズの第3回は「パイオニア」。

 パイオニアといえば、やはりオーディオを多くの人が思い浮かべるであろう。かつて音響機器メーカーは時代の花形だった。特にオーディオマニアの間では、その品質の高さでサンスイ、トリオと並び“オーディオ御三家”とも呼ばれた。

 パイオニアのCMにはアイドルとして絶頂だった時代の宮沢りえが出演し、強烈なインパクトを残した。同じオーディオメーカーだったクラリオンも、CMにはアグネス・ラムをはじめ、烏丸せつこ、宮崎ますみなどをCMに起用。若い世代にはピンと来ないかもしれないが、クラリオンガールはグラビアアイドルの登竜門であり最高峰的な存在となっていた。

 しかし、ここではアイドルやグラビアの回想をしたいのではない。言いたいことは、かつてオーディオメーカーが流行の先端だった時代が確かにあったということである。オーディオセットは若い男性の生活における必須アイテムだった。だからこそグラビアアイドルによるCMだったのだ。

 大学や就職でひとり暮らしを始めると、コンポと呼ばれていたステレオセットを買い、その脇にはアイドルのグラビアポスターを貼る。そんなひとり暮らしが典型的な若者たちのライフスタイルであり、また憧れでもあった。

 それからおよそ30年という時間が経過した今、音楽はスマホやネットを通じて聴く時代になり、オーディオメーカーにかつての姿はすでにない。そうした時代の流れでパイオニアもすっかり変わってしまった。

香港投資会社に身売り 

 パイオニア。社名はもちろん、そのロゴもかつては間違いなく憧れのひとつだった。しかし今、パイオニアはどういう形になっているか。

 昨年12月7日、香港の投資ファンド、ベアリング・プライベート・エクイティ・アジアがパイオニアの完全買収を正式発表した。すでに基本合意はしていたが、これで正式にパイオニアは香港の会社ということになり、3月27日には上場も廃止される。

 上場がすべてではないが、販売においても、新卒採用においても、上場企業であることと、香港資本の非上場会社であることの違いは大きい。

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