アメリカはゲイを大統領に選べるか?~同性婚者「ピート市長」の立候補

文=堂本かおる
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 トランプから「アメリカを取り戻す」ために大量のマイノリティ/女性候補者が競い合い、すでに盛り上がっている2020大統領選。本命候補の一人、カマラ・ハリス上院議員が2月1日(金)に地元カリフォルニア州オークランドで開催した立候補公式表明イベントには、なんと2万人もの支持者が押し寄せた。人種も性別も問わない熱心な支持者に囲まれたハリスの演説は、すでに大統領かと思えるほどの風格だった。

カマラ・ハリス立候補表明イベント

 だが、ハリス以外にも注目を集める候補者が続々と立候補している。今回は新たに名乗りを上げた2人の政治家を紹介する。インディアナ州サウス・ベンドの市長、ピート・ブートジェジと、ニュージャージー州選出の上院議員、コーリー・ブッカーだ。

 ブートジェジは若干37歳でありながら飛び抜けた市政の手腕を持ち、同性婚をしていることでも知られる。ブッカーも29歳で市議、36歳で市長となった優秀な政治家だが、非常な熱血漢でもある。市長時代、自宅近所で火事に遭遇し、燃えている住宅に飛び込んで中にいた女性を助けたという武勇伝がある。

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■ピート・ブートジェジ(民主党)
現職:サウス・ベンド市長(インディアナ州)
前職:マネジメント・コンサルティング企業勤務
人種民族:母:アメリカ白人/父:マルタ移民
性別:男性
年齢:37歳
最終学歴:ハーヴァード大学
宗教:キリスト教徒
公式サイト:https://www.peteforamerica.com/

 インディアナ州の工業都市サウス・ベンド生まれ。ハーヴァード大学卒業の後、優秀な学生に与えられるローズ奨学金によって英国オックスフォード大学院に留学。前後して投資企業インターン、複数の政治家のキャンペーン要員として働く。2012年、29歳で典型的なラストベルト(経済的に衰退した工業都市)である地元サウス・ベンドの市長となり、同市の再生に貢献。2014年、市長職を副市長に託し、7カ月間、海軍兵としてアフガニスタンに出兵。

 母親はアメリカ白人、父親は地中海マルタ島からの移民。マルタ由来の姓Buttigiegは発音が難しく、地元では「ピート市長」の愛称で親しまれている。

 2015年にゲイであることを公表し、2018年6月に現在の夫と結婚。

出馬表明ビデオ

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