「男性への逆差別」に女性専用者やレディースデイを持ち出すお門違い

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 Wezzyでは、日本社会において「女性問題」とされている妊娠・出産・育児や、子育て期の労働について、「男性の問題でもある」と繰り返し伝えてきた。たとえばワンオペ育児、つまり家庭での負担が女性に偏ってしまう問題や、女性が昇進したくともマミートラックにのせられてしまう問題など、「働く女性」につきまとう困難は、労働現場において「男性的な働き方」を要請されるがために発生している。

 では「男性的な働き方」とは何か。会社に滅私奉公し、出世を目指し、残業し、家族を養うべく働く……まさに「男はつらいよ」だろう。けれどそのような働き方自体、多くの男性のワークライフバランスを損ない、家庭生活を犠牲にさせ、自由を奪っている。会社に雑に扱われている男性たちはもっと怒っていい。もちろん、家庭で「もっと家のことにコミットしてほしい」と訴える妻に「俺だってつらいんだ」などと応酬するのではなく、会社にだ。

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「男性への逆差別」に女性専用者やレディースデイを持ち出すお門違いの画像2 ウェジー 2017.07.06

 セクハラやパワハラについても同様だ。セクハラ回避のために女性を飲み会から排除することが「ハラミ会」というワードで話題になったが、では男性同士であれば下ネタもセクハラもありなのか。女性部下にはセクハラを気にして丁重に扱うが、男性部下であれば雑に扱っていいのか。相手の尊厳を傷つけるような無礼な行為は、男女の別なく、あってはならないだろう。

 記事であげられた事例で唯一もっともだと納得したのは、2016年9月、民進党代表選の候補者討論会で、玉木雄一郎議員が涙ながらに訴えた一幕の後、蓮舫議員が「男なら泣くな!」と注意し会場から笑いが漏れた……という件を男性差別だと糾弾している箇所だ。「男らしさ=強さ」を押し付け、その枠組みから外れた男性を嘲笑することは、あってはならない。

 美容意識の高い男性も、性行為に貪欲でない男性も、女性への興味を持たない男性も、泣き虫の男性も、ピンクを好きな男性も、食の細い男性も、料理上手な男性も、スイーツが好きな男性も、キャラもの好きな男性も、決して恥ずかしいことではない。「気遣いができる」「過ちを認めて素直に謝罪できる」などの要素は“男らしくない”と忌避する人もいるかもしれないが、とんでもない、美徳だろう。「男はかくあるべし」などという規範は、「女性らしさ」の規範同様、廃れていい。

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「男性への逆差別」に女性専用者やレディースデイを持ち出すお門違いの画像2 ウェジー 2015.04.04

 一方で、多くの医大入試において、男性受験者が下駄をはかされていた事例をはじめ、男女の賃金格差など、社会構造的に「男が女よりも上位である」と見なされてきたことは事実だ。「男性差別」を撤廃するなら、やはり「女性問題」とされてきた事柄を、男性も含めた「社会問題」として捉え、男性優位を前提として築かれてきたこの社会の制度改正を訴えていく必要がある。

 繰り返すが、これは男vs女の話ではない。人間を雑に扱い、個人の権利を尊重しない、日本の社会構造の問題だ。

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「男性への逆差別」に女性専用者やレディースデイを持ち出すお門違いの画像2 ウェジー 2018.08.02

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