キャリア・仕事

働き方改革こそが、インフルエンザ問題を解決するベストな方法だ 

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仕事にゆとりがあれば、そもそも感染リスクを下げられる

 残業時間の多さも感染リスクと関係している可能性が高い。日本人の統計上の労働時間は米国や英国並みに短くなっているが、ドイツやフランスと比較するとまだまだ長い。しかも統計にはサービス残業は含まれていないので、実際には欧米よりもはるかに長時間労働となっている可能性が高い。

 過労や睡眠不足は感染リスクを増大させる大きな要因であり、過労社員の数が多ければ、それだけ感染者も増える。

 感染後の対応にも大きな違いがある。海外のすべての職場がどうなのかを調べる手段はないが、筆者が見聞きしている範囲では、感染したら普通に休むというのが標準的な対応のようである。例外はあるだろうが、出社の強要や、感染について激しく批判されるというケースはあまり聞いたことがない。

 以上はすべてインフルエンザの感染に関連したものだが、出社の強要、満員電車での移動、ペーパーレス化やIT化の遅れ、集団ベースの業務プロセス、私生活に対する批判といった話は、別のテーマでよく耳にしているのではないだろうか。これらはすべて「働き方改革」の問題と直結しているのだ。

 働き方改革において問題視される職場慣行の多くが、インフルエンザの感染拡大にも関係している可能性が高い。

働き方改革を実践すれば、自動的にインフルも予防できる

 もし業務プロセスの多くがIT化されていれば、そもそも社内で他人と接触する頻度はぐっと低くなる。IT化が進むということは、個人で完結する仕事が増えるということであり、出社時間や退社時間も柔軟に設定できることを意味している。家の場所を変えることはできなくても、出社、退社の時間がもっと自由になり、テレワークも可能になれば、満員電車で感染するリスクを大幅に下げられる。

 集団での仕事が減れば、連帯責任的な雰囲気もなくなってくるだろうし、個人の生活について組織や上司が干渉する必要性もなくなるだろう。

 正確な統計がないので、ある程度、推測を交えた話になってしまうが、職住接近を実践している人や、仕事の進め方が柔軟な職場の人が風邪をひきにくいというのは、多くの人が実感しているのではないだろうか。少なくとも筆者の周囲では、この条件に該当する人の多くが、風邪をひくことが少なくなったと証言している。

 つまり、働き方改革を実施すれば、自動的にインフルエンザ問題の多くを解決できる可能性が見えてくる。これはまさに一石二鳥であり、実践してみる価値があるだろう。

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