
無添くら寿司 公式webページより
くら寿司のバイト従業員がゴミ箱に入れた魚を調理しようとした動画や、ビッグエコーの店員が床にこすりつけた唐揚げを揚げる動画がインターネット上で拡散され、大問題となっている。炎上を受けて、くら寿司を展開するくらコーポレーションと、ビックエコー運営元の第一興商はそれぞれホームページ上に謝罪文を出す事態にもなった。
これらの問題を起こした従業員は、法的措置や損害賠償も含め、しかるべきかたちで処罰されるとしてもおかしくはない。監督できなかった企業が消費者に対して謝罪するのも当然のことだ。
しかし、これらの炎上をめぐって「ネットリンチ」が発生していることについては、正当な理由が見当たらない。
たとえば、くら寿司の問題をめぐっては、件の従業員のものとされるツイッターアカウントが拡散され、<しね><人生終わったね>といった攻撃的なリプライが大量に押し寄せた。
だが、拡散された情報はまったくのデマ。当該アカウントは騒動とは関係ない人物であった。にも関わらず、結果的に当該アカウントは凍結されてしまっており、あまりにひどい話だ。
ただ、これがたとえ当事者のアカウントであったとしても、“私刑”が許されるわけではない。
言うまでもないことだが、悪質なイタズラを行った従業員にしかるべき対応をするのは、くら寿司や警察などである。インターネット上で罵詈雑言を並べたてたユーザーは、自分自身を「正義」と思っているのかもしれないが、その行為は騒ぎに便乗した単なる悪ノリでしかない。
こういったことはいまに始まった話ではない。ニュースで取り上げられた騒動をネタにインターネットで「祭り」をつくりあげ、挙げ句の果てには、事実かどうかも定かではないまま騒動に関与した(とされている)人の名前、顔写真、住所などの個人情報が晒され拡散していく現象はもう何度見たか分からない。
NGT48暴行事件でも起きたネットリンチ
ここ最近で特にその傾向が顕著だったのが、NGT48暴行事件だろう。
この騒動に関しては、ネット上で「祭り」が起きた結果、メンバーと私的な関係があったのではないかと疑われるファンの顔写真や個人情報が大量にばらまかれた。
1 2