男性向けメディアは成熟社会における<男性の欲求>をどのように満たしてゆくか――「ヤレる女子大生」炎上後のメディアの在り方とは

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 週刊誌というジャーナリズムの観点からいえば、世の中の不正や悪事を暴くことも人びとの欲求を満たすことにつながります。これは、『週刊文春』(文藝春秋)の“文春砲”が得意とするところでしょう。

 『週刊SPA!』のカラーを考慮しても、追求すべきことは多々あります。なぜ給料が上がらないのか、なぜ結婚しづらいのか、なぜワークライフバランスが保てないのか……読者の男性サラリーパーソンは、さまざまな不満や悩みを抱えているはず。ジャーナリスティックな記事を通じて読者の溜飲を下げることも、<男性の欲求>を満たすことにつながるはず。女性や弱者をいじめなくても、雑誌の役割はしっかりと機能するのです」

――我々も常に自覚的でいなければなりませんが、あらゆるメディアが、これまで当たり前としてきた自分たちの価値観を疑い、再点検することを迫られる時期にきていますよね。

 「これはジェンダーという観点に限りませんが、誰をも不快にしない完璧な表現というのは、ほぼ不可能です。だからこそ重要なのは、社会がちゃんと批判すること、そして批判を受けたメディアが表現を再点検し、新たな可能性を模索すること。そして、新しい価値観を次の代に継承して、洗練させていくことです。つまりは、どこまでもクリエイティブな実践の連続といえるでしょう」

――男性が女性をどのようなまなざしで見ているか、どのように扱おうとしているか、さまざまなメディアが代弁してきた。代弁するにとどまらず、女性らしさ/男性らしさとは何かを形作り、性別ごとの適した振る舞いを浸透させてきたのもまたメディアだったといえる。

しかし時代の潮流とSNSの発達を背景に、テレビや広告、雑誌などメディアにおけるジェンダー表現は常に、偏見を下地にし差別を助長する内容になっていないかをチェックされるようになった。つまり、消費者はメディアの情報を鵜呑みにせず、メディアがその権力を盾に横暴な主張をしていないか監視し、批判することができるようになったということだ。思考停止することなく、価値観の点検を継続していくことが重要だろう。

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