少子化、孤独死、セックスレスの原因をすべて女性器に求める“膣系女子”の弊害

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「膣をケアすることこそ、女性の健康の秘訣!」と風呂敷を壮大に広げていく「膣ケアブームの火付け役となった物件『ちつのトリセツ』のトンデモポイントはこれまでも当連載でご紹介してきましたが、その後勢いを増してきたのが、〈フィトセラピー(植物療法)〉の見地から、膣をケアせよと謳う物件です。

スピリチュアル界の新潮流、「膣系女子」 女の幸せをなぜ膣が決める?

 子宮系女子の流れを汲む気配が濃厚な、新たな婦人科系トンデモ物件。それが、膣系女子。〈膣〉の健康こそが、女の幸せの軸であると謳うおかしな健康法が、最近や…

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少子化、孤独死、セックスレスの原因をすべて女性器に求める膣系女子の弊害の画像2 ウェジー 2019.01.29

 布教者は、『潤うからだ』(ワニブックス)、『枯れないからだ』(河出書房新社)の著者、森田敦子氏。まずはこの2冊で語られている、膣トークを一部ご紹介させていただきましょう。2017年に発売された『潤うからだ』では、冒頭から「ケアをしなければ、膣が乾燥して、硬くなったり、たるんだりと大変なことになりますよ」と脅しトークがぶち上げられます。〈トンデモ本あるある〉過ぎて、つい感心してしまいましたわ……。

更年期障害の原因は、膣の乾燥?

 さてその大変なことって? それは膣が乾燥すると子宮にも影響が出て、ホルモンバランスが崩れるんですってよ、奥さま方! セックスレスやセックスに淡白なことも乾燥の原因。すると老化は一気に加速→更年期障害がきついものになりかねない……そうです。まあ、それは大変~って、そんなことあるんでしょうか??

 同書は〈だから保湿はしっかりと、オイルを膣の中への粘膜へもしっかり塗りこみマッサージも行いましょう〉と提唱。逆に膣ケアをしっかりしておけば、アンチエイジング効果は抜群! その証拠に、著者の師であるフランスの医師は60歳でも肌にシワがなくつややかでキレイ。って、そのたった1名が根拠とはびっくりなんですけど。

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 さらに翌年発売された『枯れないからだ』に進むと、閉経後の健康問題に話が進行。トンデモ度は急上昇し、「膣ケアで老後の不安がまるっと解消」とまで話が暴走していきます。妊娠出産に活躍する膣は神秘! 膣周りの健康は女の幸せの基本であるという、かつての子宮教と全く同じ思想を持ちつつ、次のような効果効能を語っています。

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