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藤原竜也が薄汚れていてもチャーミングな理由

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 いくら魅力的な男性でも、既婚者で女性関係の派手なプラトーノフに、なぜ女性たちは惹かれるのか。アンナは容姿に恵まれ教育も受けていますが、女性であるため田舎ではその教養を生かすこともできず、夫の残した領地も家の借金のカタに失いそうになっています。高岡はセリフなど技術的なものは物足りないものの、アンナのその鬱屈した感情が自由奔放にみえるプラトーノフへの執着になり、返信がこなくても手紙をやまほど送りつけ彼の家に押し掛ける、空気を読まない肉食ぶりと傲慢ぶりはしっくりきていました。

 ソフィアも、可能性に満ちていたであろう過去の自分への思いが、プラトーノフとの復縁から爆発。「幸せにしてくれるっていったのに」と彼に迫るうちに狂気にとらわれていき、結果、彼の命にとどめをさしてしまいます。

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ウェジー 2018.08.19

 完璧なモテ男であるプラトーノフは、作者のチェーホフが、容姿と知性を持ち合わせた若いころの自身を映したともいわれています。たくさんの女性と交際したい、でも満たされない気持ちは、男性なら(願望も含めて)覚えがあるのでは。戯曲の背景の封建的な時代性はあれど、自分に足りない部分を交際相手のスペックや存在で埋めようとするのも、経験のある女性も多いでしょう。演出によってはひたすら官能的にも暗くもなりうる作品ですが、本公演の演出から受ける印象は、ドタバタ喜劇。チェーホフ作品の懐深さを思い知るとともに、大文豪イメージでの敬遠はもったいない! とも実感するのです。

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