韓国と日本、国や言葉が違っても性差別の理不尽は同じ種類のもの/『私たちにはことばが必要だ』訳者に訊く

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 こんにちは。グラビア女優の石川優実です。2017年末に#MeTooについての記事を書いたことをきっかけに、「男女平等」「人権」「フェミニズム」「ジェンダー」、そのようなものに興味を持ち始めました。この連載では、いままで無知だった私がさまざまな専門家の方々にお話をうかがい、どうすれば傷つく人たちが減るのか、被害が減るのか、すべての人が自由に安全に生きることができるのかを考えます。

 今回は、韓国フェミニズムムーブメントのきっかけになった私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない(イ・ミンギョン著、タバブックス)の翻訳者、すんみさんと小山内園子さんにお話をうかがいました。フェミニズムを知ってから周りの差別的な言動に黙っていられなくなってしまった人はいませんか? 私はそうです。そしてそんな自分がちょっとみっともないかな、子どもなのかしらと責めてしまうことはありませんか? そんなあなたにぜひ読んでいただきたい一冊です!

この本を日本で紹介したい!

石川:私は男女平等やジェンダーについて勉強しはじめて1年くらいになるんですが、疎遠になった友だちがたくさんいます。いままでは何の違和感もなかったことが、どうしても聞き流せなくていい合いになってしまいます。たとえば「ワールドカップで渋谷に行く女の子、さすがに痴漢されるほうも悪いよね」となんの悪気もなくぽろっという友だちに黙っていられなくなって、ケンカしてしまう。で、「またやっちゃった……」と自己嫌悪に陥る毎日を過ごしていました。

そんななか、Twitterでフォローしている多くのフェミニストの方々がそろって「この本、とてもいい!」とつぶやいてるのを見て『私たちには〜』を知りました。短時間で一気に読んだあと、自分のやってることに自信を持とうと思えましたし、いいあきらめ方ができた。セクシストに対して「説得しなきゃ!」「わかってもらわなきゃ!」と思って、ずっとしんどくなっていたんです。この本に、すごく感謝しています。

おふたりはなぜこの本を訳すことになったんですか?

すんみ:この本はイ・ミンギョンさんからの声掛けで作られたものです。2016年に起きた江南駅女性刺殺事件の直後に、イ・ミンギョンさんがFacebookに「セクシストと戦う会話マニュアル本を出したいので手伝ってくれる人はいませんか」と書き込んだ。そしたら編集できる人、デザインできる人など、本を作るにあたって必要な人たちがすぐ声を上げてくれたそうです。

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