
「Getty Images」より
フランチャイズ(FC)に加盟して起業するという方法についてどう思いますか? というご質問をいただいたので、私なりの考えをご紹介したいと思います。
個人的には、ゼロから自分で試行錯誤しながらやったほうが起業の地力がつく、つまり成功の再現力が養われ、ほかの事業に参入するときもハードルなく取り組めると考えています。
私自身もすべて自前でやってきたからこそ、何に参入するにもまったく怖くないし、成否の判断がある程度の確度でわかります。
特に外食など、初期投資が大きく手間もかかるものほど、自分でやったほうがよいと思います。
たとえば厨房設備や店内造作、調理器具などの相場感覚は、自分で相見積もりを取ったり実際に発注したりしないとわかりません。これがわからないままだと、他の業態に転換あるいは進出するときに必要な経験が獲得しにくいように感じます。
もっとも、たとえば天丼「てんや」などのようにブランド力があり、独自のオートフライヤー採用で「職人不要の調理システム」を確立し、アルバイト店員でも品質が落ちないようにシステム化されているなど、個人では導入が難しいオペレーションノウハウが得られる、というチェーンもあるでしょう。
あるいは、そば店やカレー店などは立地が最優先ですから、仮に味がいまひとつでも、場所さえ良ければそこそこ流行ります。好立地を押さえられるならFCでも個人経営でもどちらでもいいでしょう。逆にラーメンなどは味がよければ客は探してでも来るので立地はさほど重要ではなくなり、FCかどうかもあまり重視されないといえます。