社会

池江璃花子選手の白血病公表で“善意の攻撃” 民間療法を勧め、詳しい病状を知りたがる声も

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 一連の言葉を受け、Twitterでは「善意なのに」と困惑する声も見られる。しかし、一度冷静になって考えなければならない。「頑張れ」は負担を強いる言葉にもなり、「治るよ」に科学的根拠がなく、無責任な言葉になってしまう。そういった励ましによって勇気づけられる患者ばかりではなく、負担を感じる患者もいることを留意し、自分の発言に責任を持たなければならない。

 幡野氏は著書『ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。』(PHP研究所)のなかでも、ブログでがんを公表してから<「優しい虐待」に悩まされた><代替医療という名のインチキ療法、食事両方、宗教の勧誘>を受けたと記している。疎遠だった知人から見舞いの電話もきたが、<安易な励ましと、その人の身の上話がもれなくセットでついていた>とも。

 がんが身近な病気であるにもかかわらず、我々はがん患者とどう接していいかわかっておらず、安易な励ましに走ってしまいがちだ。家族や友人などの身近な人であれ、スポーツ選手や芸能人などの著名人であれ、「自分の知っている人」が「がん」だと判明した時に、何としても回復して元気になってほしいと願い、「頑張れ」「治るよ」と励まし、エールを送りたくなる心境はわからなくはない。相手のためを思い、最善策を考えたり、親身にアドバイスを施したい気持ちは確かに善意なのかもしれない。

 だが冒頭で紹介したように、日本水泳連盟事務局に電話やメールで、民間療法や漢方薬を熱心に薦める人もいるそうで、職員にとってはいい迷惑だろう。また、水連幹部らによる記者会見では、一般市民から「どういう病状か」「2020年東京五輪には間に合うのか」といった問い合わせもあったと報告されており、池江選手の闘病や東京五輪を“自分事”のように捉えて無礼極まりない言動に出ている人もいるようだ。無責任な善意の押し付けや、興味本位の問い合わせは慎んでほしい。

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