投資における“持たざるリスク”のウソ 相場上昇でも個人投資家は焦るべからず

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「Getty Images」より

 年明け以降、株式市場は日米共に堅調な動きとなりました。昨年11月以降、なかでも12月の後半は大きく株価が急落する場面もあり、多くの個人投資家はヒヤッとしたのではないかと思いますが、最近の動きを見ているとホッと一息というところではないでしょうか。

 ところが、逆に株価が順調に上がり始めると、今度は買っておかないと乗り遅れる、という不安な心理になることもあります。

 このように短期間に株式市場が上がり始めてくると、「持たざるリスク」とを口にする人が増えます。これは、株が上がったのに持っていなければ、儲け損なってしまう、という意味の言葉です。評論家はよくこういうことを言いますし、証券会社の営業マンも「株を買っておかないと、ここからは“持たざるリスク”が出てきますよ」などと言ってさかんに株式や投信を勧めてきます。

 結論からいえば、個人投資家はまったくそんなことを気にする必要はありません。なぜなら、この「持たざるリスク」は個人投資家にはほとんど存在しないと言っていいからです。

 「持たざるリスク」があるのは、他人のお金を預かって運用する仕事をしている人、たとえば投資信託を運用するファンドマネージャーや年金基金を運用する人たちです。なぜなら、彼らは常にほかと比較されるからです。市場全体の上昇幅に比べて劣っていたり、あるいは同業他社に比べて成績が負けていたりすると、解約されたり運用委託先を変更されたりしてしまいます。だから絶対に他に負けるわけにはいかないのです。もし上昇相場の時に現金のままで様子を見ていたなら、インデックスや他社の運用に負けてしまいます。だから「持たざるリスク」は存在するのです。

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