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日本では婚姻届を提出する際、夫婦どちらかの姓を選ぶか記入しなければならない。これは民法により定められている。明治時代に確立された家制度では「戸主と家族は家の氏(姓)を称する」「妻は婚姻によって夫の家に入る」等定められており、この名残である。
家制度は廃止されたものの、当時と同じように今も結婚後は女性が戸籍を変え、男性の姓を名乗るのが日本では当たり前となっている。だがこれは世界的に見ればスタンダードではなく、21世紀にこの夫婦同姓が残っているのは日本だけだ。
国連から選択的夫婦別姓制度導入を何度も勧告されていながら、日本は選択的夫婦別姓には消極的だ。夫婦同姓を求めて民事訴訟を起こす動きもたびたびみられるが、2015年には最高裁で「夫婦同姓は合憲」とする判決が出ている。国際的に見れば男女の不平等を顕著に示す、スタンダードから外れた「夫の姓を選んだうえでの夫婦同姓」だが、やはりこの国ではまだそれがスタンダード。このトピ主のように結婚後の苗字について話し合いたいと提案しただけで、「普通じゃない」と言われることがあるのだ。
「お前は普通じゃない」と言われ婚約破棄しました。
トピ主(女性・年齢不明)は先日まで婚約中で、挙式も迫っていたが、ここに来てどうしても婚約者と相容れないと感じ、婚約破棄を願い出た。原因は結婚後の姓をめぐるやり取りだ。
式の準備を進める中でトピ主と婚約者は沢山話し合ってきたが、入籍に関する話題だけが一向に進んでいなかった。それは、妻が夫側の姓に変更するものだと決めつけていた婚約者に対し、トピ主が困惑したから。トピ主は、姓をどちらに変えるかはお互いに話し合って決めるべきだと思っていたので「ちょっと待って、進んで名前を変えたくはないので話し合いたい」と申し出た。
しかしそれが婚約者の家族には理解できなかったようだという。特に先方の父親は、婚約者から伝え聞くトピ主の考え方が全く理解できないらしい。
婚約者の父のトピ主評は、「ちょっと普通ではない、我が強い、でも息子が惚れてて失いたくから良いように言うこと聞いてるだけ。息子が肉体的か精神的に不安定になると危ない。これからの関係を考えたらここで波を立てる常識を疑うし、我の強さに驚いてる」。
これを聞いたトピ主は、ものすごい言われようだと驚いたが、それ以上に衝撃だったのは、婚約者が「そういうところも分かると思った」と父に同意したことだった。婚約者にまで「普通じゃない我の強さ」と思われていると知ったトピ主は、自ら婚約破棄を申し出たのである。
ところが、婚約者とはちゃんと話し合って別れたのに、その後も電話がかかってきて「本当にもう無理なの?」と、往生際が悪い。
「私が一番傷ついたところがもはや変わるとは思えず、無理だと思うと伝えると、今度は『自分が普通じゃない自覚はあるの?』と、何度も何度も確認してきて気がおかしくなるかと思いました」
トピ主が婚約破棄を言い出したため「式のキャンセル料はそっちでやって」などのLINEも続々届き、疲れ果てたトピ主。
「私はそんなにおかしな事を言ったのでしょうか? こんなにも人に異常だと言われるような、人格否定までされる事だったのでしょうか? どうか、皆さまの意見も聞かせて下さい」
という相談だ。