スマートウォッチだけじゃないウェアラブルデバイス市場の拡大 注目端末は?

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「Getty Images」より

 2015年にAppleが満を持して市場に投入したApple Watchは、発売年の出荷台数が1200万台に届かないという低調ぶりで、大方の予想を下回った。こうした滑り出しから、腕や耳などに身に付けて使用するIT機器「ウェアラブルデバイス」は、一般層に広まらないのではないかという悲観的な見方も多かった。

 しかし、機器の進化とともに利便性が格段に向上していったことで、様子見をしていたユーザー層の意識にも変化が起こる。2017年に発売された第3世代モデルApple Watch Series 3は、発売からの3カ月間で約800万台を出荷し、ウェアラブルデバイスの普及を牽引。IT専門調査会社IDC Japanのレポートによれば、日本のウェアラブルデバイス市場も、2018年第3四半期の出荷台数が前年同期比で約40%アップの約21万台になるなど、目覚しい成長ぶりを見せているという。日本国内でも、ウェアラブルデバイスに注目が集まっているのは確かだ。

 高まる需要に呼応する形で、ウェアラブルデバイスも多様化している。Apple Watchのような腕時計型のみならず、ヘッドフォン型、イヤホン型、眼鏡型、指環型……といった、まるでSF映画のなかのアイテムのような機器も登場。これらが実際に普及すれば、私たちの生活が一変する未来も想像できる。

 そこで今回は、ウェアラブルデバイスについて詳しい経済ジャーナリストの片山修氏に、ウェアラブルデバイスの現状や今後の展望について話を聞いた。

遠隔地に住む親の見守りから、ものづくりの“技術伝承”まで多種多様

 まずは、ウェアラブルデバイスがこれまで辿ってきた道と、現状について解説していただこう。

「ウェアラブルデバイスのコンセプトそのものは、1980年代から1990年代にはすでにありましたが、現在の流れの起点となっているのは、2013年にサムスン電子が発売したGALAXY Gear、グーグルが開発者向けに発売したGoogle Glass、そして2015年のApple Watchだと言えるでしょう。

 Apple Watch 発売以降は、レポートにある通り市場が拡大しているのですが、私はむしろこれからさらに拡大していくと考えています。ウェアラブルデバイスは、まだまだ普及しきっているわけではないですし、今後もっと伸びていくことが予測されます」(片山氏)

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片山修/経済ジャーナリスト、経営評論家
地方新聞記者を経て、フリージャーナリスト。『ソニーの法則』『トヨタの方式』(小学館文庫)など著書は60冊以上、近著に『パナソニック、「イノベーション量産」企業に進化する!』(PHP研究所)がある。
オフィシャルサイト http://katayama-osamu.com/wordpress/

 ウェアラブルデバイスの市場が拡大していくという予想の背景には、社会環境の変化があるという。

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