
今回レビューする2商品。左がファミリーマート版、右がセブン-イレブン版(筆者撮影)
ファミリーマートとセブン-イレブンが“二郎系”ラーメンの販売に乗り出し、ネット上で話題沸騰中だ。
最初に説明しておこう。二郎系とは、ラーメン界の一大勢力である「ラーメン二郎」(1968年創業)に端を発する。主な特徴は、背脂ギトギトで濃厚な豚骨醤油スープに極太麺が合わさり、さらには分厚い豚肉と山盛りの野菜が乗っかっていること。ニンニク・ヤサイ・アブラ・カラメという無料トッピングにより、ラーメンを自分好みにカスタマイズできるのも醍醐味といえるだろう。
二郎の本店は慶應義塾大学の三田キャンパス(東京都港区)のそばにあるが、本店で修行した弟子たちが全国各地に支店を開いているため、今年2月の時点で全国に38店舗が存在している。やはり店主ごとに個性が光るようで、各店舗で味やメニュー構成が異なるため、スタンプラリー感覚で“全店制覇”している二郎ファンも決して少なくない。何を隠そう、筆者もその一人だ。
そんな二郎の人気にあやかってか、世の中には二郎を模倣したラーメン店が後を絶たない。それらを二郎系や“二郎インスパイア”、あるいは“ガッツリ系”や“G系”などと呼ぶわけだが、その商戦に、なんとコンビニ大手のファミリーマートとセブン-イレブンが名乗りを上げた! ……というのが、冒頭に記した一文の背景である。
商品名は、ファミリーマートが「野菜マシにんにく醤油ラーメン」で、セブン-イレブンが「中華蕎麦とみ田監修豚ラーメン(豚骨醤油)」(以下、豚ラーメン)。どちらも税込550円で、1月下旬に発売された。
公式に“二郎系”と謳われているわけではないにせよ、両者とも、二郎を意識していることは明らかだ。もっとも、モヤシとキャベツを大量に乗せればそれだけで二郎っぽいビジュアルにはなるので、本当に気にするべきは味の再現度だろう。
そこで今回は、筆者が“二郎全店制覇ライター”という立場から、2商品を実食レビューしてみたい。しかし、やや“カラメ”の評価になってしまうかもしれないということを、あらかじめ付け加えておこう。
ファミマ「野菜マシにんにく醤油ラーメン」/おいしく食べたいならアレンジすべし?
まずは、ファミリーマート版からレビューしよう。

ファミリーマート「野菜マシにんにく醤油ラーメン」550円(筆者撮影)
最寄りのファミリーマートでは売っていなかったので少し遠出し、2軒目に1点だけ残っていたものをレジへと持って行った。二郎の大半の店舗ではラーメンの提供直前に「ニンニク入れますか?」とトッピングの有無を尋ねられるが、ファミリーマートでは当然「レンジで温めますか?」としか確認されない(500Wだと5分40秒、1600Wだと1分55秒)。筆者はこのあとセブン-イレブンの「豚ラーメン」も買いに行く予定だったため、ここでは温めないでおいた。
さて、自宅で写真を撮りながら商品を観察してみると、麺のしっかりとした太さに感心させられる。一方、チャーシューは小ぶりなものが数切れで、特筆するべき要素はない。むしろ筆者にとっては、一味唐辛子のほうが興味深かった。