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高齢者のシェアハウスは孤独死を救うか? 老人ホームと何が違うのか

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「Getty Images」より

 高齢者の孤独死は、たびたびニュースになっている。孤独死と考えられる件数は年々増える傾向にあり、2016年のデータになるが、東京23区内だけでも高齢単身者の自宅での死亡者は3,179人に上った。今後も高齢者の一人暮らしは増加が見込まれ、孤独死も増えていく可能性が考えられる。

 離れて暮らす親がいる人にとって、親の住まいは大きな懸念事項だろう。最近増えてきているサービス付き高齢者住宅が、ひとつの解決策になるかもしれない。

一人暮らしの高齢者は700万人以上

 内閣府によれば、65歳以上の一人暮らしは増加傾向にあり、2020年には全国で約703万人になると推計されている。内訳は、男性約244万人、女性459万人であり、それぞれ65歳以上の人口の15.5%、22.4%にあたる。また高齢単身者の3分の2が持ち家に、残りの3分の1が賃貸住宅に暮らしているという。

 誰にも看取られず最期の時を迎える可能性は、もちろん家族と同居していてもあり得る。せめて発見されるまでの期間を短くしたいと考えたとき、高齢単身者自身が肉親や近所の人との交流を普段から持っておく必要があるだろう。

 高齢者向けの住宅で、集団で暮らすという選択肢もある。高齢者向けの住宅や施設は、実は10種類ほど存在している。公的なものか民間のものか、分譲型か賃貸型か、また入居対象者が自立しているか介護が必要かなどで分類される。今回はそのなかで、高齢者向けのシェアハウスともいうべき「サービス付き高齢者向け住宅」に焦点をあててみよう。

サービス付き高齢者向け住宅とは?

 サービス付き高齢者向け住宅は、「サ高住」や「サ付き」とも呼ばれており(以下サ高住)、2018年末の時点で全国に約7200棟、23万8000戸が数えられている。このここで言う「サービス」とは、基本的には1日1回の安否確認・生活相談を指していて、日中は看護師など専門のスタッフの常駐が義務づけられている。

 サ高住は、原則として自立して生活できる介護の不要な人を対象としたもので、要介護の場合は軽度の場合のみ入居を受け入れることになっている。施設ではなく住宅なので、老人ホームのように外出に許可が要らず、入居者は自由に行動できる。

 施設なのか家なのかという区別は意外と理解が難しいが、老人ホームなどの施設の管轄は厚生労働省で、サ高住の管轄は国土交通省と知ると、腑に落ちやすいかもしれない。

 サ高住では個室となる専用スペースは、25㎡以上でバリアフリーのつくりと法律で定められている。キッチンと風呂が共用の場合は18㎡以上でもよいとされているように、キッチンと風呂は部屋にある場合とない場合がある。いわゆるシェアハウスである。

サ高住のメリット

 サ高住を選ぶメリットには、安否確認といったサービスがあることと、シェアハウスであるため他の入居者との交流が容易であることがまず考えられるだろう。それ以外には何があるだろうか。

 まず、入居する上での金銭的負担が有料老人ホームのように大きくないことが挙げられる。月額の家賃は8万円以下から20万円台まで幅があるが、賃貸形式のため初期費用は敷金礼金程度になるのが魅力だ。賃貸なので、環境に合わなければ退去するのも分譲型に比べて容易である。

 サービスについては、食事の用意や買い物の手伝い、入浴・排泄などの介護をオプションでつけられるところが多い。近頃は看取りまでする施設も4割程度あると言われており、「自立した人向け」という前提が覆されるほどの守備範囲となっている。

 物件によっては設備が充実しており、個室に専用の風呂がありながらも共同部分には天然温泉があるところ、レストランやシアターを併設する物件なども散見される。

サ高住のデメリット

 サ高住はあくまでも住宅であり、介護施設ではないという立ち位置である。そのため、住人は要介護になると、併設もしくは外部のケアサービスを別途契約の上利用する必要がある。こうした場合、オプションの内容次第では、安価な老人ホームの施設と同等もしくは割高になってしまう可能性がある。

 また、看取りをしていない施設であれば、要介護レベルが上がったり入院が必要になったりすれば、サ高住から出ていかなくてはならない。終の棲家にできない可能性があるのだ。

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