
「Getty Images」より
副業・兼業を容認する動きが活性化し、「今年は、何かを始めてみようかな」と考える方もいるのではないでしょうか? 会社員のまま起業準備を進めるために、まずは小さく副業から始めることを提唱している私としては、この副業解禁の流れは歓迎するべきことです。ですが、私の周りの会社員を見ていると、決して良いことばかりではない、手放しで喜んでいられない状況も見られます。
というのは、今は好景気ではありますが、企業は増税の影響による景気後退などを見越して改革を進めているからです。その改革は社員にとって極めて厳しい配置転換やキャリアチェンジを伴う可能性があり、副業を始めるどころか本業を継続することさえ危うくなってしまう人も少なくないと予想されます。
副業解禁は、そんな組織再編について来られなくなった社員のリストラや賃金カットを正当化することにつながらないでしょうか? 「うちは副業OKです。給料が上がらなくても大丈夫ですよね!?」 。そんな論理がまかり通ってしまうようにならないかと、少し心配しています。
「楽しいから」「やりたいことがあるから」「起業したいから」。私の周りでは、今はそんな理由から副業にチャレンジする方が大半ですが、今後は、「リストラされそうだから」「他にも収入がないと不安だから」といった動機で副業を始める方も増えてくるのかもしれません。
3年後のキャリアに不安を感じたら「副業」を始めよう
私は会社員時代、「今の会社にいる3年後の自分がイメージできない」という不安に悩まされたことがありました。周りを見ては、「このままだと10年後にこんなふうになってしまうのか……」と考えてしまいました。ネガティブな動機ですが、これらの不安は、私を副業→起業へと向かわせるのに十分な力を持っていました。
「3年間、自分がいられなくなることに怯えながらしがみついているより、3年かけてでも次のステージに行ける力を身につけよう」。そのように思えるようになったのです。
プライベートも次の仕事を中心に組み立てる毎日。会社にすべてを捧げ、通勤時間にスマホを見ているだけの生活では、3年などあっという間に過ぎてしまいます。ですが、何かを始めるならば、3年という時間は事を成し遂げるのに十分な時間ともいえます。不安のまま過ごすことより、ぜひ、攻めの副業を始めてみましょう。
「やってみよう!」と思っても、そこで止まってしまう人の共通点
「副業を始めよう!」 。せっかくそう思っても、そこから一歩も動かない人はたくさんいます。再就職や失業の回避には本気になれても、まだ目の前に危機が迫っていない段階での転職や副業は、「良い案件があれば検討してもいいかな」と、なかなか重い腰が上がらないようです。
副業は、転職や起業と比べてリスクが小さいため、私などは、「やらない理由はない」と考えてしまっているくらいなのですが、「やってみたい」と思っているのにもかかわらず動き出さない人には共通点があります。
その共通点とは「完璧主義」です。その完璧主義に陥っている頭で、以下の3つを「完璧に解決」してからでないと始められないと思い込んでしまっているのです。
①時間がないからできない
② スキルがないからできない
③お金がかかるからできない
そう考えてしまい、それが解決しない限り行動を始めない結果、時間だけが過ぎてしまい、諦めてしまったり、副業をしようと思ったことすら忘れてしまったりする方がたくさんいます。「副業ネタがない」と言う方も多いのですが、本当にないものは「問題解決力」なのかもしれません。
時間は「ある」「ない」というものではなく、優先順位を決めて“作る(確保する)”ものです。スキルがないのなら、そのスキルを必要としない副業にシフトするか、人のスキルを借りれば良いですし、お金がないのでしたら融資を受けることもできます。借金が怖いということであれば、初期投資がなるべく掛からない副業ネタを探し、小さく踏み出せば良いのです。
すべての条件が整うことを待っていたり、スキルがないからといって一から勉強を始めたりということになれば、ビジネスができるようになるまでに膨大な時間が必要になり、結局のところ挫折してしまうことになりかねません。
副業を始めようと思ったら、まずは始めてしまうことです。やりながら覚え、品質を高めていけば良いのです。これは本業のお仕事とまったく同じことだと思います。
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